ファッションスタイリスト佐藤佳菜子さんが日常のおしゃれについてのアイデアや思いを綴る連載です。

 


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この春夏、各ファッション誌から頂いた「Tシャツ特集」。夏の宿命とはいえ、一ヶ月に一体いくつのTシャツコーディネートを作ったのだろう。「Tシャツ一枚で、楽チン簡単なのになんか印象的な素敵な人に見せたい」なんて、婦人たちは欲張り。「TシャツはTシャツじゃいっ!!!!」とか言ったら元も子もないので、もちろん、口はミッフィーにして、粛々とやらせていただきます×××。

たしかに婦人たちは、Tシャツ一枚で出かけることが、だんだん心もとなく感じてくる年頃なのも事実。トレンドだと言われても、くすみカラーのTシャツなんか、よっぽど色を選ばない限り、顔がくすんで、かすんで、老け込んで見えそうなのが怖いし、洗いがかかったコットンは、若者が着たらなんだかこなれて見えるけど、ご婦人には、ただありがたくもない生活感がプラスされるだけ。西海岸系のカジュアルさを受け止めるには、肌のハリとツヤがもの足りない。え、こんなに問題山積?? これでは、うっかりTシャツ難民にもなりかねない。うむ、たかがTシャツだけど、されどTシャツ。いろいろ見て、コーディネートをしてみるとその違いに気が付かされた。

まず、婦人たちに必要なTシャツの要素は、「生地のクリーンさ」「程よく肉厚」「信頼感のあるネックライン」きっと、これだ。サイズ感なんかはきっとお好みで良くて、ただ、なんとしてでも清潔感を保つべし。

「Tシャツ1枚で出かけるのは勇気がいる」大人の悩みを解決するTシャツ選びのルール_img0
Tシャツ/WORN(ドゥロワーで購入)  オールインワン/コエル バッグ/ミカデラヴァッレとLEE Marche コラボ 靴/JW PEI
「Tシャツ1枚で出かけるのは勇気がいる」大人の悩みを解決するTシャツ選びのルール_img1
Tシャツ/WORN(ドゥロワーで購入)

今季、わたしはというと、久しぶりに小さめのTシャツが気になっています。去年の冬のコート時期あたりからオーバーサイズに飽きていたのですが、夏もまだそんな気分。うん年ぶりに着るジャストサイズのTシャツがなんだか目新しい。ドゥロワーで買い物をしているとき、なんとなく生地感が気に入って買ったWORNのTシャツが想像以上に好みで、あまりによく着るものだから白をもう一枚とブラウンを買い足した。ボディーラインをきれいに見せてくれる肉厚な素材と、袖の長さの加減も実に絶妙。崩れないネックラインも優秀で、これは投資してよかったもの。

 
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