「マニュアル的な仕事をしているが、AIの進化で失業しないだろうか」
「1つの職種を極めても、有能なAIに代替されてしまわないか不安」
「AIがどういうものか正直、わからない」
――『AI時代のキャリア生存戦略』より


そんなふうに、漠然と不安に思うことはありませんか。


まるで遭難時の地図やコンパスのように


『AI時代のキャリア生存戦略』は、テクノロジーの進化で人の職業が消失したり形を変えていく中で、私たちや子どもたちの世代が、仕事や働くことをどのように捉え直し、どうやって自らを変化させていくかについて考える本です。

『AI時代のキャリア生存戦略』 倉嶌洋輔 2022年1月刊行(BOW&PARTNERS)

「10年後にタイムスリップしてしまった3人がどう難局を乗り切るか」というつかみの設定がユニークな本書は、主な章の冒頭部分に漫画があります。
登場するのは「安泰の公務員」、「一般的な会社員」、「ベンチャー企業の社長」。
3種類の異なるタイプの主人公の中からいまの自分に近い主人公になりきることで、彼らのストーリーを自分事として捉えて考えやすいつくりになっています。

AIの台頭による中長期での自分の職業への影響度合いを知りたい方や、自分や子どもたちの世代が働くことになるAI化がもっと進んだ未来の社会がどんなものかをイメージしておきたい方におすすめ。

AIについて知ることで、漠然とした不安がクリアになり、「どう生きていきたいか」を考えるきっかけになる一冊です。

 


AIの得意なことと苦手なこと


そもそも、AIとは何なのでしょう?
「人間と区別のつかない人工的な知能」?
「『知能を持つメカ』ないし『心を持つメカ』」?
これらはどれも正解であって、正解でない。
実は、AIには答えとなる一意の定義はなく、「人によって定義は異なる」というのが答えだそう。

そして、AIも万能なわけではなく、得意なこともあれば、苦手なこともあります。

AIの得意なこと(成果が出やすい領域)は、代表的に次の3つ。
「正確かつ大量の記憶を必要とする領域」
「瞬時にたくさんの判断をする領域」
「大量データの共通点・差異を見つけ出す領域」。

AIの苦手なこと(成果が出しにくい領域)は、代表的に次の4つ。
「文脈から言葉の意図を解釈する必要のある領域」
「将来性の考慮や倫理観を伴う領域」
「AI開発時に材料となるデータが少ない領域」
「前例のない創造的な作業や発想の必要な領域」

本書では、これらAIの得意不得意を踏まえた上で、現在の職業領域をAIの普及に対する耐性度で低スキル型・中スキル型・高スキル型と分類し、各カテゴリの人に推奨される3種類の戦略を解説していきます。

 
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