出産や加齢でふとしたタイミングでちょっぴり尿もれするようになるのは、女性ならある程度は仕方のないこと。

でも「出産したらこんなもの」「更年期に差し掛かったからしょうがないか」と放置したら、これからますます悪化する可能性もあります。今からできること、受診のタイミングなどを専門の先生に伺いました。

 


尿もれしやすい人の特徴とは?


「尿もれは生活に困る以外にも、膀胱炎になりやすくなる、皮膚炎になる、パッド代がかかる、精神的に落ち込む……などの弊害も生じます。週に数回尿もれするようなら、受診をお勧めします」というのは、亀田総合病院ウロギネ科部長・ウロギネコロジーセンター長の野村昌良先生。

亀田総合病院 ウロギネ科部長・ウロギネコロジーセンター長
野村昌良先生

聞きなれない「ウロギネ科」とは、泌尿器科(Urologyウロロジー)と婦人科(Gynecologyギネコロジー)を合わせた「ウロギネコロジー」、つまり女性特有のお悩み全般を専門に診療しています。

尿もれには、咳・くしゃみや立ち上がった時など、お腹に力が入った時に漏れてしまう「腹圧性尿失禁」と、突然尿意を感じてトイレに間に合わない「切迫性尿失禁」があります。腹圧性63%、切迫性13%、その両方が混在する混合性24%。つまり、尿もれに悩んでいる人の約9割が、お腹に力を入れた時に尿もれしてしまうんだとか。

咳やくしゃみでも漏れるのは、経産婦で骨盤底筋の緩んでいる人に多い症状。閉経とともに全体的に筋力が弱っていくことに加え、

①痩せていて筋肉量の少ない人
②太っていて腹圧がかかりやすそうな人

が、特になりやすいといいます。

 


尿もれに生理用ナプキンNG!?


放置すると、確実に悪化の一途を辿るのがこの尿もれ。受診する前に、今からできることはあるのでしょうか?

「膀胱炎は尿道からばい菌が逆流して起こります。そのため、尿もれには専用の吸水シートを使用しましょう。生理用ナプキンは血液、おりものシートは粘液を吸収するためのものなので、尿もれに対応していません」

フェムテック用品として吸水ショーツが人気を博しましたが、ナプキン同様、経血専用のものは尿もれにはNG。ちなみに、生理用品やおりものシートも、吸水ショーツも、兼用のものを使う分には問題ありません。

一方、不潔にしないことは重要ですが、年々油分が減っているので、デリケートゾーンの洗いすぎも禁物。その名の通り「デリケート」な取り扱いが必要そうです。

 
  • 1
  • 2