「40歳」は「不惑」とも呼ばれ、考えに迷いがなくなる年齢とされていますが、いざなってみるとどうでしょう? 迷うことだらけでなかなか自信が持てず、「これから先も暗い人生かも」と不安に駆られることがあるのではないでしょうか?

筆者がまさにそのパターンで、にっちもさっちもいかなくなって自己啓発本を読み漁ったこともありましたが、そのときによく目にしたのが「自分軸」という言葉。これを持っていれば、人生がイージーモードになることを知りました。

それからは本やネットの情報を頼りに、自分軸を手に入れようと孤軍奮闘しましたが、実際にそれらしきものを得るまでに5~6年はかかってしまいました。今でも、本当に自分軸が持てたのかどうか確信はできていません。

そんなあやふやな状態で出会ったのが、人気エッセイスト・岸本葉子さんの著書『60歳、ひとりを楽しむ準備 人生を大切に生きる53のヒント』でした。本書を読めば、岸本さんが60代の日常を心から楽しんでいることがよくわかるのですが、キラキラ一辺倒ではなく、等身大の不安も吐露するなどその力の抜け具合が絶妙で、筆者にとっては本当の意味で「自分軸」のお手本になる方だと思いました。

 


そこで今回は、思い切って岸本さんにインタビューを敢行。自分軸の持ち方や、心のなかに巣食っている恐怖への向き合い方などについてお話しいただきました!

 

著者プロフィール
岸本葉子(きしもと ようこ)さん:
エッセイスト。1961年、神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学教養学部卒業。会社勤務を経て、中国・北京に留学。帰国後、執筆活動に入る。ライフスタイルの提案や旅のエッセイなどで、広い年代から支持を得ている。著書に『がんから始まる』(文春文庫)、『エッセイの書き方 読んでもらえる文章のコツ』(中公文庫)、『モヤモヤするけどスッキリ暮らす』(中央公論新社)、『ひとり上手』(だいわ文庫)、『岸本葉子の「俳句の学び方」』(NHK出版)、初の句集『句集 つちふる』(角川書店)など多数。


インタビュー前編
好きを隠すのが面倒になる──『60歳、ひとりを楽しむ準備』の著者が語る、60代にとって本当に必要なもの>>