・「来月からこの仕事もやってくれないかな」と上司から言われた
・家族の体調が悪くなり、在宅で働かなければいけなくなった
・待遇が悪くなってしまったので、転職を考えざるをえなくなった

私たちの生活には、予想外のイベントがいたるところに潜んでいます。年齢と経験を重ねて、周囲の人と信頼関係を築いて、やっと居場所ができていたのに……。ため息の一つもつきたくなりますよね。

でもそんな「今の居場所からちょっとズレてみる」経験が、あなたの日々を充実させるかもと言ったらどうでしょうか。「いやいや、そんな大げさな~」と思われました?


今の自分からズレること=「越境」は、むしろ歓迎すべきこと?


「新しいことに挑戦して成長する」というと、まだ体力も気力もある20代・30代の専売特許と思われる方も多いかもしれません。そして最近メディアにあふれる、「新時代のキャリア」についての発信。そこには転職・副業、地方移住など、夢のようなワードが飛びかっています。

一方、現実の私たちの身近にあるのはもっとささやかなこと。

担当業務が変わった、後輩が上司になってしまった、毎日帰宅が遅く家族とのコミュニケーション不足が心配……。

景色がガラリと変わるような変化ではなくて、「よっこらしょ」とお尻をズラして席替えをするような変化。その「今の居場所からちょっとズレる」感覚を、教育や働き方研究の世界では「越境学習(えっきょうがくしゅう)」と呼びます。

曖昧で揺らぎの多いこの時代に、「これまでのやり方が通用しない」「新しい課題が次々に降りかかるが、組織の中に答えがない」そんな危機感を抱いている人や組織に向けて。ワークスタイル&組織開発専門家の沢渡あまねさんが、ご自身の経験も踏まえて語る「越境のすすめ」がこの本です。

 
 
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