スタイリスト福田麻琴さんが、身の回りの”愛するモノ”について語ります。

 

女っぽいアイテムがシャツだって?
それってメンズっぽいの間違いじゃ?
そうでしょう、そうでしょう。
これは完全に私の独断と偏見です(笑)。
だって、一般的に女っぽいアイテムといったら、ミニスカートとか、オフショルダーのトップスとか、やっぱり露出が多いアイテムを指すわけで、女性的な魅力は脚や肩など、普段は見えない部分へのドキドキからくるんじゃないかなぁと思うわけです。

 

でもシャツって!
これは本当に私個人の考え方ですが、一番メンズライクなアイテムな気がします。
他にもジャケットやトレンチコートやミリタリーパンツにも同じような女っぽさを感じるんです。
その中でもシャツは特別!
とにかくきちんと見える。
ボタンを全部とめてきっちりと、襟をぬいてゆったりと、着こなしの幅は無限です。
素材やデザインを選べばリラックスウエアにもなる。
例え合わせるアイテムがデニムにトングだったとしても、やっぱりそれなりに見える。

 

色気……
以前ジョンスメドレーのニットの時にも書きましたが、私が大事にしたいのはそのアイテムに宿る“色気“なんです。
できたら媚びない色気がいい。
白シャツは定番としてもちろん殿堂入りですが、さらにマニッシュさ漂うブルーにもただならぬ色気を感じます。
このアイテムを見て思い出すのはミラノマダム。
日焼けした肌にブルーのシャツをラフに着て、チノやデニムなどカジュアルなボトム。
私が地黒ってことも関係してきているような気がしますが、このシャツが似合うなら年中日焼け肌でもいいかも!

 

そういえば昔からよくシャツテーマをいただくことが多く、今となってはピントきますが、昔は、私ってそんなにシャツ着てたっけ?と不思議に思っていました。
それって他人様から見てこのアイテムが私にフィットしているとか、似合っていて印象に残っているとか、もしくは似合わなすぎて印象に残っているとか(そうしたらシャツのテーマはまかせられないであろう)、そういうことなんだと思うんです。
だから、自分から好きになったアイテムというよりは、誰かが似合うと言ってくれてどんどん好きになっていったアイテムなんです。
あぁ! これって……あいつあんたのこと好きらしいよ! と女友達に言われてから、気にもしていなかったあいつが突然気になり始めるあの青春パターン(笑)。
それ似合うね。
ふと誰かに言ってもらえるように、たまには自分では選ばないようなものを着てみるのもいいのかもしれませんよ。

 

写真・文/福田麻琴
 

 


前回記事「いくつになったって好きなものを着たい!「リバティ社のギンガムチェックスカート」」はこちら>>