天気がなぜ「痛み」に影響するの?
→気圧が自律神経に影響して、痛みを生み出しているからです。


最新の研究によって、主に「気圧」が身体の「自律神経」に作用することで、気象病の痛みを引き起こしていることがわかってきました。気圧といえば、みなさんの身近なところでは、台風情報でよく耳にする「ヘクトパスカル(hPa)」という言葉があります。これがまさに、「気圧」を表す単位です。

その気圧が、なぜ体調に影響するのでしょうか。それは、耳の奥にある「内耳(ないじ)」と呼ばれる器官が、気圧の微妙な変化をキャッチする「気圧センサー」の機能を持っているからです。内耳の気圧センサーが作動すると、自律神経がアンバランスな状態となり、脳にその情報が伝わって、めまいやだるさ、心拍数の増加、血管の収縮、慢性痛の悪化などを引き起こすと考えられています。

その頭痛や倦怠感「天気のせい」かも【あなたはなりやすい人?“気象病リスク”をチェック】_img0
 

「痛み」の原因というと、血管の収縮や拡張、または炎症などがよく知られていますが、人によってはその前段階に、「内耳にある気圧センサーの作動」が関係している場合がある、ということです。

 

なお、意外かもしれませんが、気象病の患者さんは気圧の変化が「大きい」ときよりも、「小さな揺れ」の方が、痛みが出やすいことがわかっています。みなさんがイメージしやすい例で言うと、台風の最接近時よりも、天気の崩れはじめの方が、痛みやしんどさを感じやすいのです。気象病の患者さんはそれだけ気圧センサーが敏感で、「気象への感受性が高い」方が多いといえます。自分が気象病になるリスクがあるかどうかは、次の簡易チェックリストも参考にしてみてください。

◻︎ 天気の変化に敏感で、雨が降りそうなときはなんとなくわかる
◻︎ 季節の変わり目に体調を崩しがち
◻︎ 寒さが苦手で、冷え性
◻︎ 新幹線や飛行機などの乗り物が苦手。高いところも苦手
◻︎ 耳鳴りしやすく、耳抜きが苦手
◻︎ 過去に骨折などの怪我をしたことがある
◻︎ ストレスが多い

あてはまる項目が多いほど、「気象病のリスク」は高いといえます。


取材・文/金澤英恵
イラスト/徳丸ゆう
構成/山崎 恵
 

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