週に3回のお楽しみ! 3度の飯より風呂が好き
入院生活の一番のお楽しみ。それは、月・水・金のお風呂タイムです。急性期病院にいたときは、立つことすらおぼつかなかったため、シャンプーも体を拭くのもすべて看護師さん任せ。看護師さんって、本当に大変なお仕事なんだ、と頭が下がる日々でした。
その後転院したリハビリ病院には、とっても立派な岩風呂(!)を備えた大浴場がありました。一度に4〜5人は余裕で入れる大きさで、実際には3名くらいで時間をずらしながら入浴。看護師または看護助手が、つねに2名体制で手を貸してくれます。
私のお風呂タイムは10時半。時間になると、車イスで大浴場のある階にイソイソと向かい、服をなんとか脱いで車イスのまま浴室へ。お風呂用の介護イスに移動して髪や身体を洗ったら、岩風呂に入ってあたたまります。
最初は左手だけで髪や体を洗うのにとまどいましたが、人間何とか慣れるもの。左手では届かない左腕や肩以外は、手伝ってもらわずに洗えるようになっていきました。
大きな湯船に手足を伸ばして、できる範囲でストレッチとちょっとセルフマッサージ。ああ、温泉も顔負けの気持ちよさです……!
けれども私には、入浴時のみならず、生活に関わる大問題がありました。
それは、「長く伸びすぎた髪の毛問題」。そもそも倒れる前から、すでにヘアサロンに行くべきリミットをとっくに過ぎていたのですが、デルタ株が猛威をふるっていたため、先延ばしを繰り返していたのでした。
それが、まさかの長期入院。髪の毛は順調に伸び続け、うっかり腰にまで届きそうな勢いです。片手では結ぶこともできず、抜け毛はたとえ一本でもかなりの存在感。シャンプーやリンスも大変で、乾かすのだってひと苦労です。
そこで私はついに決意しました。病院内にある、バーバーの門を叩くことを……!
予約表の担当理容師さんの欄を穴が開くほど見つめ、「バーバー〇〇のS男さん」や「理容室△△のN太さん」ではなく、「☆☆ヘアサロンのM美さん」がシフトに入る日をチェック。理容師さんながら、「女性も切りますよ〜」というM美さんに、安心して頭をゆだねたのでした。
美容師ではなく、理容師に切ってもらったのは初めて。正直「もし、変になったとしても、あと3カ月は入院してるんだから大丈夫」と覚悟を決めていました。
でも終わってみれば、いい感じにパーマが毛先に残って、ロングよりずっとイケてる感じに(当社比、ならぬ私比)!
お風呂もずっと楽になって、寝返り時に自分の髪を踏んで引っ張ってしまうこともなくなり、大満足なのでした。
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