温かな言葉に癒やされると話題の産婦人科医、高尾美穂先生の新刊『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)が発売になりました。新刊から、女性の体や心の悩みに安心と解決法を与えてくれるお話をひとつご紹介します。

 


自分が幸せを感じる方向に
自分を連れていこう

 

自分を幸せにするために知っておきたいのが、「ポジティブ心理学」の考え方です。
これは1998年に提唱された心理学の考え方で、これによると、幸せに生きるためには、5つの柱があるとされています。

まずひとつめが、うれしい、楽しい、希望、感謝、好きなどといった「ポジティブな気持ち」です。
この気持ちがあるほど、何も考えなくても幸せでいられるということです。
幸せな状態でいると、脳の学習効果や記憶力、想像力などが高まり、何かに挑戦することにも前向きになれることが報告されているので、ポジティブな気持ちが自分の中に長くあるほど、自分の頭の中の活動もよくしていけると言えます。

 

2つめは、「没頭する」ということ。何かに没頭しているとほかのことが気にならなくなりますが、そんなふうに夢中になれることがあると幸せということです。
たとえば、自分の推しのアイドルがいる人は、その人のことを考えているときは幸せですよね? 夢中になれるものがひとつでもあることは、簡単に幸せになれる方法です。


人間関係が良好なこと、人生で優先順位が高いことへの
活動を増やすことも幸せにつながる


3つめは、「リレーションシップ」、つまり人間関係がよい状態であることです。心が通うパートナーがいたり、家族や会社など自分の周りの人間関係が良好であったりすることは、幸せを感じるうえで重要だということ。
人によっては人間関係に重きをおいていなくて、たとえば、お金や地位があるだけで幸せを感じる人もいると思いますが、そこに豊かな人間関係があれば、さらに幸せを感じるということです。

4つめは、「人生の意義」です。誰しも、人生において何に最も価値を見出すかという優先順位があると思いますが、その順位が高いことに関する活動を増やすと幸せを感じられるということです。
たとえば、私だったら自由な状態や、好奇心をくすぐられるような目標に価値を感じますが、そのための時間や取り組みを増やすことが人生の意義であり、私にとっての幸せということです。

 
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