少し前、テレビで“古民家のサブスク”が特集されていました。田舎暮らしをしてみたいと思う人は少なくないと思いますが、実際移住となると、どこの地域がいいか? 実際自分に合うのか? と悩む人も多いのではないでしょうか。

テレビで紹介されていたサブスクは、運営会社が提携する全国の古民家や住宅に泊まり放題とのこと。定額制でいろんな地域をお試しできるし、わざわざ家を自分で借りる煩雑な手間もかかりません。アパートを引き払って、全国を転々としながらリモートワークをする、なんて人もいるそうです。

 

筆者は田舎育ちなのですが、田舎の中でも山・川・田んぼしかない、Wi-Fiも通じないような超ど田舎――いわば過疎地域で育ちました。大学の進学を機に関西に、そして社会人になって上京。最初、田舎から都会に行ったときは「外国に来たみたい!」と驚嘆したものです。

自動改札機を見たことがなくて、切符が吸い込まれてアタフタ。初めて原宿に行ったときは歩道にぎっしり人がいて、人酔いしました。「私は原宿を見に来たのか? それとも人を見に来たのか?」なんて立ち尽くすありさまでした。

そんな、ど田舎と大都会を両方経験した筆者が、改めて都会で驚いたこと、田舎の特徴についてご紹介したいと思います(あくまで筆者の住んだ田舎と都会についてなので、全ての田舎に当てはまるとは限りません)。

 

【田舎と都会の違い①:交通】
最寄駅まで徒歩3時間! 何はなくとも「車」は必須

 

まず、田舎は車がないと詰みます。筆者が住んでいた地域では、どの家庭も最低2台持ちは当たり前。「最寄り駅」なんて概念もありません。ちなみに、最寄り駅までは徒歩で3時間ほど。バスも通っていますが、人口減少に伴い路線の廃止も相次いでいました。

家から一番近いスーパーやコンビニへは車で片道20~30分はかかるので、車がないと生活が成り立たないんです。高齢になって免許返納となると、暮らしが立ち行かなくなるのでは? と心配になります。

さらに、田舎を走っている列車は電車ではなく、多くが「気動車」だとご存じでしょうか。もちろん地域によりますが、筆者の地元はディーゼルエンジンなどで動く列車でした。そのためか、田舎では電車のことをいまだに“きしゃ”と呼んでいたりします。

乗り心地も電車とは一味違います。がたんごとーん、がたんごとーん……という心地よい揺れや振動がその特徴。冒頭でも触れましたが、駅に自動改札機はありませんでした。駅員さんが1枚1枚、改札鋏(かいさつきょう)と呼ばれる道具で「カチッ」と切符をパンチしてくれます。やたらと無人駅が多いのも、田舎あるあるでしょう。