忘れもしない高校の体育祭での出来事。種目ごとの選手名簿を作り、クラス対抗で競うのですが、なんと、中心グループの子たちがスタメンに陣取り、それ以外の子たちは教室で待機するというカオス状態に。本来は公平に全員が出られるように采配しなければならないのですが、中心グループの子たちはスポーツ万能で態度も大きく、自分たちだけが出られるようにしたのです。他の子たちは一種目も出ることができず、教室でおしゃべりをしながら時間を潰した苦い思い出です。

さらにひどいのは、先生までもがスクールカーストに影響されていることでした。もちろんどの生徒にも公平に接してくれる先生もいます。しかし、中心グループの子たちには強く出ることができない様子が窺える先生も。逆に、大人しめだったり、ちょっと仲間外れにされがちな子にはキツめに当たるという先生もいて、思わず溜め息が漏れたものでした。
 

「あだ名禁止」でいじめはなくなる?

 

こうしたスクールカーストも背景の一因にあるのか、最近はさん付けで名前を呼ぶよう指導する「あだ名禁止」の学校が増えているようです。実は、筆者の小学校もそうでした。あだ名禁止の学校は、結構前からあったのです。メディアで紹介されていた先生の声として、人をさん付けで呼ぶ習慣をつければ、人を大切にするようになり、いじめ抑止にもつながる、というものがありました。

 

あだ名禁止の学校出身の筆者が言えるのは、残念ながらそんなことまったくありません、ということ。あだ名を禁止するくらいでいじめをなくせたら、苦労しませんよね。いじめはバリバリありましたし、呼び方一つくらいでは意識なんて変わりません。逆に、高校はあだ名についての禁止事項もなく、いじめもありませんでした。

要は「人をからかうようなあだ名」がダメなのであって、それを指導すればいいのではないでしょうか。あだ名自体を禁止するなんて、ちょっと意味不明というか、飛躍しすぎだと感じるのです。名前の呼び方を生徒に強要する権限が果たして学校側にあるのか、いまだに不思議に思っています。