更年期、生理痛、PMS...自分のコンディション管理は仕事のうち【産婦人科医・高尾美穂】_img0
 

温かな言葉に癒やされると話題の産婦人科医、高尾美穂先生の新刊『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)から、女性の体や心の悩みに安心と解決法を与えてくれるお話をひとつご紹介します。

 


心身が揺れやすい女性だからこそ、賢くコンディション管理を

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更年期の女性から、職場で「あの人、更年期かな」などと思われたくないから、更年期特有のメンタルのアップダウンを悟られないように頑張っているがつらい、という悩みを聞いたことがあります。

そして、同じように更年期の同僚の中には、イライラしやすいなどメンタルの不調が起きている人もいるということでした。

こんな悩みを持ってしまうのは、社会において、男女ともに更年期に対して十分に理解が進んでいないからだと思います。
更年期を悟られたくないからと無理に頑張ると、そのこと自体がストレスになってしまい、本末転倒です。

職場では無理のない範囲でメンタルのアップダウンの波を少なくすることも大切ですが、そのうえで、周りに対して理解を求めてもいい時代ではないでしょうか。

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自分の体調を安定させる努力をすることは、社会人として大切


男性のみなさんは、男性ホルモンの低下とは比べものにならないほど大きなホルモンの変動による、女性特有の更年期という嵐の時期を迎える女性が周りにいることを、女性のみなさんは、自分が更年期で特に困るような不調がないとしても、困っている人もいるということを知っておいていただければと思います。

そして困っている本人は、臆せず婦人科に相談して前向きに治療をして、自分のコンディションを安定させるのも、社会人として必要なことです。 

これは更年期に限らず、生理についても同じです。
たとえば、生理痛がひどいときに生理休暇を取ることは大事な権利なので、休んでいいと思います。
ただし、働く人として自分の体調を安定させる努力をし、仕事を遂行するうえで妨げとなる要素を取り除いていくことは、社会人としての義務だと思います。

 
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