相次ぐ自然災害によって年々上がり続ける日本の火災保険料。そんな中、住宅修理に関する業者とのトラブルが増加しています。今回相談に訪れた美奈子さんの両親も、住宅修理を巡る予期せぬ出来事に頭を抱えていました。話を聞いてみましょう。

 


損害保険会社も危機感を募らす火災保険詐欺


先日、千葉に住む父親が「家の修理に関して詐欺に遭ったかもしれない……」と心配そうな声で電話をかけてきました。両親は70代前半で、母親は要支援2、父は関節痛があるもののまだ介護認定を受けておらず、住み慣れた千葉の郊外で支え合いながら暮らしています。住んでいるのは築40年近い戸建ですが、持ち家で物価も安いエリアなので、年金だけで十分だと両親はよく話していました。

そんな父が珍しく弱っています。話を聞くと、数ヶ月前に千葉を直撃した大型台風のことで「市から依頼されて災害調査をしている」と電話があり、後日業者が訪問してきたというのです。業者は屋根に上るや否や「台風の影響で屋根と漆喰の一部が剥がれています。このままでは雨漏りするので直しませんか?」と言います。

さらに「費用は保険会社から出るのでお二人の負担はありません。保険会社との交渉はすべて我々にお任せください」と言うので、無料ならと思い、父は契約書に押印したようなのです。書面は業者が持ち帰ったため、両親の手元にはありません。しかも「迅速に準備を進めるため、キャンセルの際は費用の3割を負担していただくことになります」と契約時に言われたようで……。

それから数日後、火災保険を契約している損害保険会社から送られてきた情報誌の「火災保険詐欺に注意!」という記事を見て、すぐに私のところに電話がありました。父は今にも消え入りそうな声で「自分たちのケースと似ているけれど、あれは果たして詐欺だったのか……。解約した方がいいのかもしれない……」と話します。一体どうすれば良いのでしょうか。

 
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