お互い冷静なタイプの役者。だから、どんな関係の役を演じても楽しい


盟友ともいえるおふたりの関係性ですが、劇団☆新感線での3回目の共演を迎えて、改めてお互いに抱いている“印象”について伺いました。 “相思相愛”と言えるほどお互い信頼し合っている存在だとか?

 

天海:“相思相愛”? ちょっと言葉が違うような気もしますが……(笑)。でも、最初にお会いしてからずっと印象は変わらないです。古田さんはもう“神様”。舞台の上にいてくれれば心強いし頼りになるし、古田さんについていけば間違いない! って思える方。古田さんが舞台にいれば、もう勝ったも同然!って思えるんです。そんな存在。絶大なる信頼感があります。

古田:こんなに華があってカッコいい女優さん、ゆりちゃんの他にいないでしょ。寄らば大樹の陰の、“大樹”ですから。オイラからしても、絶大なる安心感。隣でふざけていればいいだけだから(笑)。

 


前回の共演作『修羅天魔 髑髏城の七人 ~Season極』のときは敵役同士、薔薇サムでは前作で関係を作り上げ、バディ的役どころです。劇団☆新感線における実際のおふたりも、どことなくバディ的な感じもしますが……。


古田:オイラもゆりちゃんも役に左右されるタイプの役者じゃなくて冷静なタイプなんです。役に入り込むヤツほど芝居が下手だと思っているから……。

天海:(古田さんを遮って)これ、書かないでください(笑)。

古田:だから、普段は仲良しだけど敵対するお芝居も楽しいし、バディ的な関係性のお芝居も楽しい。どっちがより楽しいっていうのはないですね。

 

息のあったおふたりのやり取りは笑いに満ちていて、見ていて羨ましく思えるほど。先ほど少し話題に出ていた、天海さんの衣装の早変わりについて聞いてみました。今回もファン待望のコスプレをたっぷり見せていただけるとか……?

天海:早変わりはすごくしんどいので、本当はもうやりたくないですよ(笑)。どんな衣装に着替えるのかは、3着くらいは分かっていますが……、それ以外はまだ全然知らされていないです。普通はね、もう金髪のカツラをかぶることなんてないでしょう。でも劇団☆新感線だからやる、という感じなんです。前回は演出のいのうえさんから宝塚時代の「オスカルの格好してほしい」と言われたので、「言っておきますが、私が宝塚で演じたのはアンドレですからね」って(笑)。そしたらいのうえさんが「おー、違ったのか!」って。

古田:知らなかったんですかって思わず突っ込んだよね。

天海:でも本当に新感線だからこそ、やらせてもらいます。荒唐無稽なコスプレ……って言っちゃいけないか(笑)。でも、いろんな格好をさせてもらえますね。

古田:普通のお芝居でそんなコスプレやったら世界観が壊れちゃうでしょう。でも、石川五右衛門も変装の達人だし、そういう無茶苦茶な設定ができるのは新感線だから。ちゃんとした普通のお芝居とかミュージカルにはきちんと“テーマ”があるけれど、新感線は最終的に“チャンチャン!”って終わる芝居。だったら途中はお客さんが喜んでくれるなら、荒唐無稽なコスプレがあってもいいんじゃないかって思いますね。

天海:前回いろいろ着せてもらいましたよねぇ……。輪っかのドレス(※)も着させていただいたし、もう思い残すことはないかな(笑)。何が着てみたいとか、もうないかも。
※宝塚で裾が丸く大きく広がったドレスのことを指す。スカートを膨らませるためにパニエのほか、輪っか状の型を仕込んでいるので、こう呼びます。

古田:『修羅天魔』では花魁もやったしね。