人生を仕事だけに捧げてしまうのは、もったいないですよ【産婦人科医・高尾美穂】_img0
 

温かな言葉に癒やされると話題の産婦人科医、高尾美穂先生の新刊『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)から、女性の体や心の悩みに安心と解決法を与えてくれるお話をひとつご紹介します。

 


仕事=人生ではないから
燃え尽きない生き方を

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仕事に人生を捧げて生きてきたという女性が、40代後半になって、職場でのメインの存在が後輩たちに移ってきたことで自分の需要がなくなってきたと感じるようになった。
また、プライベートでは、今まで仕事に夢中だったので結婚も出産もしていなくて家族もおらず、「私、何のために生きているんだっけ?」と、はたと気づいて、今後どう生きていったらいいかわからなくなった。
そんなお悩み相談を受けたことがあります。
40代半ばを過ぎてから、こうした悩みを持つ女性は少なくないようです。

このような場合、もちろんもう一度、職場での存在感を高める努力をするのもいいと思います。
まだ40代後半で、あと15年ほどは同じ職場で働いていけるので、自分がどんなかたちで役に立っていけるかを改めて考えてみるのもよいでしょう。

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人生、仕事だけじゃないという考え方に切り替えよう


ただ、こういう方に伝えたいのは、人生、仕事がすべてではないということです。

結婚をしていなくて、子どももいない方の場合は特に、仕事を頑張っているうちは、生活のほとんどを仕事が占めていると思います。

でも、世の中の仕事というものは、誰かが代わりにやっても成り立たなければいけないものです。
自分では、仕事に人生を捧げているという思いがあっても、たとえば事故や病気などで自分に何かあった場合は、ほかの誰かに代わってもらえるのが世の中のほとんどの仕事です。
そう考えると、人生を仕事だけに捧げてしまうのって、もったいないと思うんです。

ですから、このような悩みを持っている方も、人生、仕事だけじゃないという考えに切り替えてみることをおすすめします。

仕事は、後輩を温かく見守る立場で続けていき、お金を稼ぐ手段と考えて、そのお金を、温泉巡りやスポーツなど、自分が楽しいと思えるような趣味を見つけて使うのがいいと思います。
そんなふうに仕事以外の時間を充実させれば、今後の人生も、楽しみになりますよね?

 
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