コロナ禍でオンラインミーティングが増え、目にすることが増えた『グラフィックレコーディング』。
「絵が得意な人のためのものでしょう?」と、自分と切り離していては勿体無い! 家庭や仕事、一人でも大勢のイベントでも使える技術なのです!
設立3年目を迎えた〔ミモレ編集室〕では、毎月行われてきた『編集・ライティング講座』が7月より『実践講座』としてパワーアップ! 第1回目はグラフィックレコーダーの守隨佑果さんを講師にお迎えしました。
グラレコとは
グラレコとは、講演やミーティングをその場で「描いて」「記録」する手法です。リアルタイムで起きている事をグラレコで可視化する事により、「話すだけ」「聞くだけ」ではなく、話がぶれない、皆が情報を共有し参加している感覚を得られるので対話が生まれていくのです。
講師の守隨さんのグラレコとの出会いは、保育所運営の仕事をしていた時。多くの職員や保護者たちの悩みを聞き、訴えやすれ違いをほどき、問題を解決していくのにグラレコがたいへん役立ったそうです。
グラレコってどう描きはじめるの?
ミーティングを可視化する? 皆に見られながら描くのって難しそう! ところが『絵のうまい下手はそれほど重要ではなく、いくつかの基本を抑えれば大丈夫。』と守隨さん。
まずはグラレコの基本テクニックを知ろう!
① 線は雄弁に語る
下の資料の人物のまわりにある線をご覧ください。これらの線だけで、囲まれている文字が考えられているものか、話しているのか、どんな感情から生まれているのか感じられませんか? 線の使い分けで、こんなに表現の幅が広がります。
② □△○の無限の可能性
資料のように□の上に△を乗せたら家の出来上がり!
大事なのは正しく綺麗に描くより、早く、わかりやすく!
グラレコの絵は簡単な図形の組み合わせで描き表せます。あらかじめよく使う絵を予習しておくこと。わかりづらい? と思ったら下に文字で補足すれば大丈夫!
③ 顔はパーツで考える
お国柄か日本のグラフィックレコーダーは、顔を丁寧に描く傾向があるそうです。○や線だけの棒人間も、もちろん良いですが、表情や髪型があると絵に温かみが加わります。
難しそうにみえても、パーツで分解して考えると、なるほど出来そう! さらに、こちらも文字で「Aさん」と補足すればOK! 絵のうまさより、一目でわかることが大事なのです。
他にも2点、テクニックを伝授していただいた後で、守隨さんがグラレコで大事にしているポイントをあげてくださいました。
グラレコを描く上で気をつけること
重要なことは、過度に見た目の形にこだわるより、どんな場か、そして目的に合わせて描くこと。
その場を俯瞰しながら何が起きているか、客観的な立場に立って描くことが基本。
声の大小、上司の意見と新人の意見、義両親の意見と私の悩みに子供の思い。
どんな意見も紙の上では平等なのです。
直感に訴えられる絵にはとても強い力があります。ビジュアルの力を知り誠実に扱うことを、守隨さんは徹底しているそうです。
『それは公に書いていいものなの?』『偏っていない?』と自問しながら、迷った時には主催者や話し手に確認をとり描いていくそうです。
講義の後は、いよいよ実践!
川良編集長の1分スピーチをグラレコするワークを行いました。実際に手を動かしてみると楽しさと難しさを実感。参加者が提出したグラレコは十人十色で見ていて楽しい! 守隨さんはそれぞれの良い点を的確に示してくれました。
グラレコを体験した後の質問タイムで出たものは
『守隨さんのおすすめのアプリは?』
『描くことに集中して聴き逃しませんか?』
『模造紙にグラレコしていて描き損じた場合は?』
『スクリーンに長時間描いていて疲れませんか?』
全てに対して、聞きたかった事以上の情報を教えてくれるサービス精神に圧倒されました。
今回の講座に守隨さんは42枚もの資料をご用意され、講座後の懇親会では課題を提出した全員にフィードバックをしてくださいました。
講座の中で守隨さんが何度も仰っていた「誰かのために描く」「どうお役に立てるか考えて描く」という言葉、それらがグラレコだけでなく守隨さんの在り方であることを実感しました。
「好きを伝え、つなぎ、つながる」がコンセプトの〔ミモレ編集室〕では毎月講座が開かれており、入会すると過去のアーカイブを全て見ることができます。
ライティングに興味のある方、サードプレイスを探している方。自分軸を大事にする〔ミモレ編集室〕で新しい仲間と新たな自分に会ってみませんか?
次回の新メンバーの募集は10月です。ご興味がありましたら、ぜひ覗いてみてくださいね!
Yayoiさん
〔ミモレ編集室〕4期生。東南アジアを中心に5ヶ国を渡り歩いてます。
「今どこにいるの?」と、親にまで聞かれるアラフィフ婦人。趣味はお茶(なんでも)と生け花。特技は引越し。