デジタルスクリーンは子どもの脳を壊す

 

現代生活においてデジタル機器、なかでもスマホやPC、タブレット、ゲーム機といったスクリーンを有する機器はなくてはならないものになっていますよね。

しかし、筆者などは「テレビばかり見ていると頭が悪くなる」と親に𠮟られて育った世代ということもあり、このデジタル漬け、およびスクリーン漬けの生活に不安がないといえばウソになります。ですから、デジタル機器に対して一歩引いて見ているところがあります。

 

これがデジタルネイティブと呼ばれる若い世代になると、どのような感覚になるのでしょう? おそらく、筆者ほどに抵抗を感じてはいないのではないでしょうか。しかし、そんな人たちにとって少し不都合な研究結果が発表され、話題を呼んでいます。

それは、スマホやタブレット、ゲーム機などの「デジタルスクリーン」は「子どもの脳を壊す」ということ。この説を唱えるのは、10年間にわたって7 万人以上の子どもの脳と認知機能の発達を追跡調査した医学博士・川島隆太さんです。川島博士は自身が監修を務めた『子どものデジタル脳完全回復プログラム』という米国のベストセラー書籍の日本語版において、子どもの脳が壊れると以下のような問題が現れると説いています。

•学力(IQ)が下がる、授業についていけない
•物事に集中できない、すぐに気が散る
•突然キレる、泣きわめくなど、感情のコントロールができない
•人とうまくコミュニケーションがとれない、友だちができない
•不自然に太ってしまう、肥満やメタボになる
•発達障害やうつ病、双極性障害を発症しやすい、症状が悪化する

最近の子どもは感情のコントロールが苦手といわれていますが、これを見るとデジタル機器と無関係ではなさそうですね。では、なぜこのような症状が出てしまうのか? そちらに関しては、本書のオリジナル版の著者である精神科医ヴィクトリア・L・ダンクリー博士が、エビデンスをしっかり示しながらメカニズムや対処法を説明しています。

子育て中かどうかに関わらず、多くの大人にとってこの問題は看過できないのではないでしょうか。今回は、衝撃的な事実が続々と登場する本書の一部をご紹介します。