いつも通りの夏の日曜日に、突然の脳卒中で倒れたのは、48歳2児の母でありフリーライターの萩原はるなさん。救急車で急性期病院に運ばれ、予兆も準備もまったくないまま入院生活が始まりました。

 

なぜ自分に、こんなことが起こったの? 後遺症は? 突然の事態に自分なりに向き合いながら、治療やリハビリに励む日々をレポートします。

いよいよ退院の日を間近に控えた萩原さん。今回は、退院直前のリハビリの様子と退院後の日常生活に向けた準備についてのお話です。

 

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退院後の生活に向けて、病室からポチったもの


日々リハビリに邁進するうちに時は流れ、すでに師走直前。いよいよ12月10日の退院日まで、カウントダウンが始まりました。

これまで上げ膳据え膳で、座っていれば3食用意してもらえ、理学療法士さんや作業療法士さんのマッサージ&リハビリがもれなくついてきた日々とはさようならです。

うれしいけれど、不安しかありません!!

そもそも倒れてから、家に帰るのははじめて。普通の暮らししかしてこなかった私が、右手・右脚が不自由な状態で家に帰るのです。入院当初は玄関やお風呂などに手すりをつける計画でしたが、ケアマネージャーさんや療法士さんと話すうちに「……いらなくない?」ということになり、身一つで帰ることになりました。退院前には、ずいぶん、右脚は動くようになってきていたのです。

私は帰宅後の生活をいろいろ想像し、ネットで必要と思われるものをせっせとポチっておりました。

・肩かけバッグ(杖をつくため荷物がもてない!)
・大好きな迷彩柄の杖(『迷彩、杖』で検索したら一発! 便利な世の中です)
・よく切れる包丁(慣れない左手ですから切れ味は重要)
・左利き用のハサミ(がんばれ、左手!)
・みじん切り用のチョッパー(紐を引っ張るやつ)
・ペーパーウェイト(片手がきかないと書類など紙がずれます!)

病院では、担当の20代女子をはじめたくさんの理学療法士&ドクター、技師さんが「ああでもない、こうでもない」と試行錯誤を重ね、私の脚の形状と状態にぴったりの装具をつくってくれました。

装具の色はもちろん、ストラップやステッチの色も自分でセレクト可能。同室女子は白ベースにピンクのストラップにしていて、かわいかった〜! 私はカーキのストラップにしたかったものの、用意されていなかったため黒をチョイス(悲)。靴は、装具専用のスニーカー5種類ほどから選べます。

下の写真を見ればわかるとおり、右足の方が、装具の分だけ大きいのがポイント。これから靴を買う際には、2足サイズ違いを買うことになるのかしら……? そもそも、装具をつけて普通の靴がはけるのかな……と、悩みはつきない病室の私。

でも、車椅子ではなく自分の脚で歩けるのですから! ぜいたくは言ってられません。

さすがオーダーメイド、ぴったりフィット! 5万円ほどの制作費がかかったが、半額以上が区の保険で戻ってくるという。