本来セックスは、お互いが気持ちよくなるため、もっと関係をよくするためにするもの。どちらかが傷ついたり、嫌な思いをしたりするセックスなんて、する意味はないし、してはいけないのです。彼の言うとおりにすることが愛だとか、やさしさだとか、付き合っているんだったら嫌でもするのが当たり前とか……。

性に個人差はあれど、そんな考えは絶対的にノー。相手の嫌がることはしないのが愛であり、やさしさです。セックスは、お互いの同意が必ず必要だし、ふたりの意見が分かれたとしたら、「したくない」ほうの思いを尊重すべきなのです。
 

性犯罪は、他人事なんかじゃない

イラスト:shutterstock

相手と恋人や夫婦関係であっても、そうでなくても“したくないセックス”を強引にされることは性暴力だと、お話ししました。そして世の中では、レイプや強制わいせつ、痴漢などの悪質な性犯罪も、あとを絶たないのです。

万が一、そういった被害にあってしまったら、ひとりで抱えこまずに必ず誰かに相談しましょう。とはいえ身近な人には言いにくいし、誰に相談していいかわからないという人も多いでしょう。そんなときのために覚えておいてほしいのが、各都道府県にある相談窓口「ワンストップ支援センター」です。

ここに連絡すれば、各専門機関と連携して、緊急避妊薬の処方、妊娠や性感染症の検査、警察への通報や法律相談、そのほか今後安心して生活ができる方法を一緒に考え、サポートしてくれます。「#8891」が全国共通の短縮番号なので、この番号にかければ最寄りの支援センターにつながる仕組みになっています。「はやくワン(ストップ)」と覚えてくださいね。
 

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「セックスしない」のだって自分の自由
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(本書P88〜89「セックス=幸せって、誰が決めたの?」より)
3次元の恋愛経験こそ少ないが、イマジナリー彼氏たちと多様性に富んだ愛を育んでいる女の子・えなち。「セックスしない自分っておかしい?」と、悩みを女友だちに打ち明ける1シーン。