スタイリスト福田麻琴さんが、身の回りの”愛するモノ”について語ります。

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以前もカルティエの時計についてお話ししましたが、今回は一番最近手に入れた時計のお話です。
この時計について色々考えながら、本当に今の自分の気分がこういう小さなところに分かりやすく出るんだなぁと、改めて自分の素直さとか単純さに笑っちゃいました。
そして改めてファッションを哲学することが楽しくて大好きなことだと感じました。

 

時計は私にとって憧れを具現化するアイテムです。
20代にタンクフランセーズに憧れるきっかけになったのは、一番身近な働く女性である自分の師匠がよくしていたからです。いつか自分で稼いだお金で買いたい! と、コツコツ貯金をして手に入れました。
30代、結婚し、出産を経て、働く女性への憧れはまだまだありましたが、仕事と家庭をしなやかに両立しているシャルロット・ゲンズブールを好きになりました。
そんなシャルロットが雑誌のポートレートでしていてずっとずっと気になっていたのが時計がカルティエのべニュワールです。
これは長い時間待ち続けて、ヴィンテージのものに出会いました。
丸く柔らかいフォルムが自分をしなやかに見せてくれそうで、飾らず自然体でいたいあの頃の気持ちがギュッとつまった時計です。

そして今。
40代半ばとなり少し子育てが落ち着いてきてこれからの人生について考えるようになりました。
これから買うものは10年後もっと似合うものじゃなきゃ!
そこではじめて"憧れのあの人"ではなく、未来の自分を想像して時計を買いました。

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少し日焼けした肌、黒い髪(もしかしたら白くなっているかもしれませんが!)、デニムに、スニーカーにエレガンスをそえてくれるような……
選んだのはカルティエのミニパンテール。
結婚指輪のトリニティにもぴったり!
この小さなエレガンスがこれからきっと必要になると思うんです。

未来の自分を想像してする買い物、楽しい!
こりゃ、癖になりそうです。

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写真・文/福田麻琴
 


前回記事「圧倒的にシンプルで丈夫「サタルニア」の食器」はこちら>>

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