日本の就活システムは、新卒が“最強カード”?転職の弊害と、切なる願い_img0
 

ところで“人生100年時代”と言われるのに、新卒の22歳と、既卒の24歳では、受けられる会社の数に差があることも不思議でなりません。残りの働く年数を考えれば、たった2年で人の何が変わるというのでしょう。今の時代、転職するのが前提という人も多いですから、新卒で育てたとしても、どうせ数年後には転職してしまいます。なぜ多くの企業がここまで新卒にこだわるのか、不思議で仕方がありません。

社会人になって3年以内ならば、新卒枠で応募できる企業もあります。しかし、筆者が第二新卒応援を謳う転職エージェントに相談に行くと、こんなことを言われました。
「第二新卒? そんなの最近作られた言葉で、実際第二新卒なんて就活市場で価値なんてありません。新卒カードを失った時点で、経験年数の多い中途と同じ土俵で戦うしかない。第二新卒は、ただの既卒です」
この時の衝撃、今でも覚えています。

社会人になって3年以内の第二新卒/既卒の就活生を新卒枠で採る企業は、まだまだごく一部。かつての人材市場では、新卒は「新車」、第二新卒は「中古車」、既卒は「新古車」と言われていたとかいないとか。第二新卒までなら新卒市場でやれる、というのは「まぼろしぃ~!」というのがリアルだと感じます。

 

数字からも見えてくる第二新卒/既卒の苦況


実際、第二新卒/既卒の就活状況は大変なのが現実です。第二新卒/既卒/フリーター/新卒向けの就職・転職サポートを行う株式会社UZUZの調査では、現在の就職活動の状況に関する設問があります。

日本の就活システムは、新卒が“最強カード”?転職の弊害と、切なる願い_img1

出所:『20代若者の就職・転職活動に関する実態調査|UZUZ若者キャリアレポート<2021冬>
※調査の対象:既卒・第二新卒として就職活動中の20代男女
※有効回答数:902名(既卒者:297名、第二新卒者:605名)

同調査では、就活で「かなり苦労している」「どちらかといえば苦労している」と回答した人の合計が、第二新卒(離職中)で58.6%。既卒で51.9%という結果に。やはり第二新卒/既卒で就活に苦戦している人は少なくなさそうです。