「国葬問題」から見えてきた、岸田内閣支持率低下の要因_img0
写真:つのだよしお/アフロ

「国葬」と「国葬儀」の違いは何か、先週末からずっと考えています。もしそれが別のものであるなら「エアロビ」と「エアロビクス」も、「東大卒」と「東大卒業」も、「アンパン」と「あんこパン」も別のものってことでOKでしょうか。牛丼屋の「つゆだく」と「つゆたくさん」とかもかなあ。するってえとこんな小話も成り立つでしょうか。

 

「つゆだく(+20円)」というメニューがある牛丼屋で、ある客、仮に「K」が「つゆたくさんで」と注文する。食べ終わった「K」は「つゆだく(+20円)」の会計に、「つゆだく」は注文していません」と一言。店側が「え?『つゆたくさんで』と注文されましたよね」と返すと、「K」は「『つゆたくさん』とは言いましたが、『つゆだく』と注文してはいません」。「いやでも『つゆだく』と『つゆたくさん』は同じですよね」と店。「『つゆだく』はメニューにありますが、『つゆたくさん』はメニューにはありません」と「K」。

究極的に面倒くさくなった店側は、「まあ16億円ってわけじゃない、たった20円だから……」と苦々しくも吞み込んで、その場を収める。でも「K」は「無茶な理屈で会計をごまかそうとする、悪質な確信犯」と認定され、店員たちには「信用ならないので、来店時は注意」という情報が共有されてゆきます。

岸田内閣の支持率低下はこういう展開の結果に思えます。ある時点から突然「国葬儀」と言い出した「K」じゃなかった岸田さん。「俺が決めた! 国葬!」とぶち上げた手前、引っ込みがつかず、官僚かなんかに「総理! この(屁)理屈で押し切りましょう!」と入れ知恵されたのでしょうか。岸田さんは「安倍政権の思いを引き継ぐ」とよく言っていますが、まさにこれは安倍政権の十八番だった「ご飯論法」と「議論拒否」。「募集はしたが募ってない」の世界です。流行りのメタバースか、ヘルか、今の日本はたぶんどっちかになっちゃってるに違いありません。

 
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