写真:西村尚己/アフロ

私はそもそもはエンタメ系のライターで、「mi-mollet」ではそっちも書きつつ、なぜか「社会ネタ」のコラムも書かせていただいております。そんなわけで「国葬儀」があった去る9月27日には国会議事堂前のデモ(抗議集会)にも参加してきましたわけですが、読者のみなさんの中には「エンタメしながらデモ参加とか、なんなんこの人?」な~んて思ってる人もいるんじゃないかと思い、まずはそのあたりから御託並べてゆきたいと思います。

私は「勉強のための勉強」というのが嫌いで、歴史も政治も社会も、映画やドラマをとっかかりに学んできました。でもって常に思うのは「エンタメって現実社会と地続きだな~」ってこと。どういうことかというと、例えば。『愛の不時着』(この例え多くて恐縮ですが)で「リ・ジュンヒョクみたいに、普通にお惣菜作ってタッパーに保存してラベル付けられる男性ステキ」「リ・ジュンヒョクみたいに『女のくせに』って言わない男性ステキ」っていうのは、現実には「その裏返しみたいな男ばっかりだから」ですね。

 

でもそこからもう一歩進んで「なんでそんな男ばっかりなのか?」と考えると、そこには「料理は女のするもの」というジェンダーの刷り込みがあり、「男は仕事、女は家庭」という役割分担を前提とした「伝統的家族観」があり、それをなぜか強行に推し進める「壺議員」の存在や、あら、よく見たら男ばっかり? ってことで、女性に主導権を取らせまいとする差別意識が見えてくる。こんな理論的な整理はできていなくても、リ・ジョンヒョクの裏には女性たちが日々社会で感じているモヤモヤがあり、それはやっぱり社会とか政治の問題だったりするわけです。(ちなみにいわゆる「伝統的家族観」は明治期から昭和初期に確立したもので、実はたいして伝統的ではありません。ご興味ある方はググってみてください)


ええとつまり。「社会」とか「政治」って別に大したことじゃなく、エンタメはもちろんファッションとかグルメとかにも普通につながっていて、知識なんてなくたって(むしろ知識がない人たちこそが)そういうものと同列に語って、文句言って、意見していいものだと思うんですね。つまり私が「mi-mollet」というマスな女性媒体で「エンタメしながらデモ参加」する意義ってそいうことだと思うのです。

 
  • 1
  • 2