戸次重幸、48歳の現在地「頑張って育ててきた果実を、今ようやく収穫できている」_img0
 

朝ドラから仮面ライダーまで幅広い作品に出演。歌番組「SONGS」では、その美声を活かし、ナレーションを担当するなど、多彩な活動を行う戸次重幸さん。なかなか日の目をみない時代を経て、今、俳優として、そして父親として充実した時間を過ごしています。これまでの俳優人生を振り返っていただきながら、独特の子育て方針や48歳の現在地について伺いました。

戸次さんは、演劇ユニット「TEAM NACS」のメンバーで、舞台にも精力的に立ちます。今年10月、戸次さんが挑むのが舞台『A・NUMBER』。クローン技術が進んだ近未来で、自分がクローンだと知った息子と父の対話を通じて、人間の尊厳や倫理といった普遍的で大きなテーマを掘り下げます。この舞台は二人芝居で、その相手は尊敬してやまない益岡徹さんです。

 


――名優・益岡徹さんとの共演について、どう感じていますか?

戸次重幸(以下、戸次):映像で拝見したのですが、益岡さんが26年前に出演された舞台『巌流島』が、僕が観た舞台の中でベスト5に入る作品なんです。今の若い人の言葉で言うと、〝神演技〟をされていて、そんな方と二人芝居で濃密なやり取りができることに、至上の喜びを感じています。誤解を生む表現かもしれませんが、アリーナ最前列で益岡さんのお芝居を堪能できることへの期待と楽しみがすごいですね。でも「ファンです!」というスタンスで来られると、益岡さんも鬱陶しく感じるでしょうから(笑)、あまりそういう空気を出さないようにしたいと思います。

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――クローン人間だと知った息子を戸次さん、その父親を益岡さんが演じます。

戸次:益岡さん演じる父親が、ある秘密を握ったまま、複数いる息子たちに対して、それぞれどう対応していくのか。それが、この作品の見どころになっています。どこまで息子たちに打ち明けるのか、益岡さんは最初から最後まで神経をすり減らすお芝居が続くので、本当に大変だと思います。一方、僕は、クローンの役ではあるけども、似たところを表現しようとするよりも、まったく違う人間を演じることのほうが、作品の本質を突くことにもなりそうです。
 

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