【武田航平×木村達成】役者として信頼し合う2人の「自分だけが知る相手の一面」は_img0
 

もうすぐ40歳。特別不幸せでもなければ、特別幸せでもない。きっとこの先も低刺激の、のんべんだらりとした人生が続いていくのだろう。もう恋なんて二度とすることもなく。

そんな達観に似た諦念を抱いている人たちに、ぜひご覧いただきたい作品があります。それが、ドラマ『オールドファッションカップケーキ』です。

アラフォーのサラリーマン・野末はほんわかとした空気で部下からも慕われる癒やし系上司。けれど仕事にも恋にももう前のめりになることはないと、自ら“おじさん化”していました。

そんな野末に思いを寄せるのが、アラサーの部下・外川。アンチエイジングを口実に、野末をスイーツめぐりに誘い、グイグイと距離を縮めていきます。装う喜びも、おいしいものを食べて華やぐ気持ちも忘れかけていた野末は、外川との交流を通して、少しずつ輝きを取り戻していって――。

スーツ姿が色っぽい2人のラブストーリーは、6月からFOD・Rakuten TVで配信されるや話題沸騰。8月からの地上波放送でさらにファン層を拡大しています。

野末を演じたのは武田航平さん。外川役は木村達成さん。気になる撮影の裏側をたっぷり語ってもらいました。
 

 

木村達成と外川が一緒になる瞬間があった


――自分はもうすぐ40歳だからといろんなことをあきらめ、淡々とした毎日を送っていた野末。武田さんは野末に共感できるところはありましたか。

武田 共感できるところとそうでないところの両方がありましたね。僕自身の日常と言えば、家族と過ごす毎日で、本当に寝て起きての平凡な日々なんですけど、そこに幸せを感じるというか満足している自分がいるので、そういう面では共感できますし。逆に、まだまだこれからやりたい夢や目標が僕にはあるので、そこは野末さんとは違うのかなと。

でもきっと野末さんも飄々としながら、これからどうするんだろうという将来への不安みたいなものはどこかにあったと思うんですよ。それを掘り起こしてくれたのが外川くんだったんでしょうね。

――学生時代、やりたいことがまったく見つからなかった外川は、野末と出会ったことで大きく変わっていきます。

木村 野末さんからもらった「後悔は幸福になるための糧で、人生の燃料」という言葉が響いたんだと思います。まだ入社するかどうかも決まっていない人間にあんな素敵な言葉をかけてくれて、ご飯まで連れて行ってくれて。きっと外川はそういう大人に出会ったことがなかったんじゃないかな。だから、この人と一緒に働きたいと思ったし、生きる希望になった。

今回は、航平さんと一緒にお芝居をしながら、木村達成と外川がどこか一緒になる瞬間があって。それが、役を生きるということなのかなと思いながら演じていました。

【武田航平×木村達成】役者として信頼し合う2人の「自分だけが知る相手の一面」は_img1

 

――「後悔は幸福になるための糧で、人生の燃料」という言葉はご自身にも響きましたか。

木村 (すかさず)僕は後悔しないように生きてます!

武田 あはは。

木村 苦しい経験をしたからこそ、それが養分になって、デッカい花を咲かせることもある。僕は苦しいことがあると、いつもそう考えるようにしていて。そしたら苦しいこともいつの間にか楽しく思えてくる。どんなことも考え方次第。だから楽しむことを一瞬たりとも忘れないようにしていますね。航平さんはどうですか。

武田 僕は後悔はたくさんありますね。この業界入ってちょうど20年。あのときこうしておけばよかったなっていうのは本当に多くて。たとえば、僕は『仮面ライダー』を2回やってるんですけど、1度目のあとは自分でも反省するところがたくさんあって。他のみんなが跳ねていく中、なんで自分はうまくやれないんだろうって思ったこともありました。

そんなときにお声をかけていただいて、もう一度、『仮面ライダー』に出演することができた。今こうして役者業を続けられているのも、あの2度目の『仮面ライダー』があったからだと思うんですよ。

木村 そうなんですね。

武田 それこそ、今こうやってたっちゃんとお芝居させてもらえてるのも、たくさんの後悔を糧にやってこられたから。だから、あの言葉には共感しかないですし、こんな素敵な作品で主演をやらせていただいていることに感謝してるし、本当に幸せです。
 

次ページ▶︎ 1回も航平くんって呼んでくれない

武田航平さん木村達成さんの写真をまとめて見る
▼右にスワイプしてください▼