セットアップの魅力といえば、コーデ要らずのラクさと単品での着回し力の高さ。そのために、ついついプレーンで間違いのないデザインをチョイスしがちですが、スタイリスト佐藤佳菜子さんが提案するのはむしろその逆。
シンプルなデザインは選ばないといいます。
その理由と、買うべきデザインとは?

“無難じゃない”セットアップの方が実は着回しやすい、という事実【スタイリスト佐藤佳菜子】_img0
 


こだわりなく選んだセットアップは
結局着回しづらい


普段のお仕事スタイルはもちろん、会食などの少し改まったお出かけ、学校行事などのオケージョン、とシーンを問わず活躍するセットアップ。上下で着るのはもちろん、トップスとボトムスをそれぞれ単品でも着回せる3ウェイが魅力。
「セットアップというのはそもそも、上下をセットで着るだけで、すでにコーディネートが完成しているわけです。ブランドの方で、トップスの着丈やボトムスのシルエットなど、全身の完璧なバランスをとっくに考えてくれている(笑)。だからこそシンプルで無難なデザインを選ぶ必要はなくて、セットで着たときに素敵で印象的なものを選ぶべき!
普通すぎる、“中庸なデザイン”を選ぶということは、つまりその服のことを大好きというわけでもない、ということだと思うのです。きちんとしたシーンで“きっと”使えそう、着回しに“多分”便利そう、といったある意味根拠のない理由。そして悪くもないけど、特に良くもないから捨てられない。こだわりのない選び方が、結果使いづらいワードローブを形成していく……。まずは意志と思い入れを持って、ひとつひとつのアイテムを選んでほしいと思います」

 

選ぶべきセットアップは
“2割増しの華やかさ”or“ストイックなモダンさ”


「大人におすすめのセットアップは、“2割増しの華やかさ”があるフェミニンタイプか“ストイックなモダンさ”のマニッシュなデザイン。シーンや好みに応じてこの2タイプを使い分ければ、たいてい上手くいきます。
そして、少しデコラティブだったりクセが強かったり、あるいはひとさじのモード感がある方が、実は着回アイテムとしても重宝することが多い。なぜなら、着回したときのコーデでも個性を発揮して、主役のアイテムになってくれるから。無難なデザインのものだと、他のアイテムと合わせてみてもやっぱり、退屈なスタイリングになってしまうのです」
 

Type 1
フェミニンセットアップは
「2割増しの華やかさ」で 


【セットアップで】

“無難じゃない”セットアップの方が実は着回しやすい、という事実【スタイリスト佐藤佳菜子】_img1
ブラウス¥18700、パンツ¥19800/ランバン オン ブルー(レリアン) バッグ¥16500/アマン(シップス インフォメーションセンター)  靴¥22000/スティーブン アラン(スティーブン アラン 新宿)

「トップスのデザインがデコラティブものは、上下で着たときの完成度の高さが格別。袖のラッフルや裾のドレープが美しく、何も考えずに着るだけで女性らしい華やかさが手に入ります。トップスにデザインが盛り込まれている分、パンツはセンターシーム入りのセミワイドパンツですっきりバランスに。体型を問わず着られるように、上手く工夫されています。少しだけ個性を感じさせる小物選びで、きちんと感がありつつ鮮度の高い着こなしに」
 

【トップスを着回し】

“無難じゃない”セットアップの方が実は着回しやすい、という事実【スタイリスト佐藤佳菜子】_img2
静物カットと同じブラウス¥18700/ランバン オン ブルー(レリアン) スカート¥20900/カオス(カオス表参道) ピアス¥25300/ハイク(ボウルズ) バッグ¥57200/マヌエラ(アイネックス) 靴¥82500/ロランス(ザ・グランドインク)

「とびきり華やかなトップスのシルエットを生かし、ニットタイトスカートを合わせた着回しアレンジを。セットアップのスタイリングよりもぐっとカジュアルで辛口な仕上げですが、トップスのおかげで適度な女性らしさがキープできます」

“無難じゃない”セットアップの方が実は着回しやすい、という事実【スタイリスト佐藤佳菜子】_img3
 

「気になる二の腕や背中、お腹などをただ隠すのではなく、あくまでも“凝ったディテールでカバー”してくれているのがポイント。たっぷりとしたドレープが美しく、全方位きれいに見えるミモレ世代に優しいデザイン!」

 
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