8歳年下のアメリカ人男性と「略奪され婚」、つまり不倫から結婚に至った冴子さん(仮名・42歳)。最初の夫とともにタイに駐在中、英会話講師であるアンソニーさん(仮名)と出会い、不倫の泥沼に。揉めたのちに離婚成立、冴子さんは日本に帰国。3年後にアンソニーさんと再婚します。順調に思われた日本での結婚生活ですが、少しずつ夫の幼児性が露呈して……?

前編記事に続き、作家・ライターの佐野倫子が泥沼再婚劇をレポートします。

 
取材者プロフィール冴子さん(仮名)42歳、東京都在住
職業:在宅ワーク中心の英文事務
家族構成:幼い娘と2人暮らし。元夫(アメリカ人、34歳)とは2ヵ月前に離婚成立。

  
 

妻がアラフォー、夫が20代の夫婦に生じたひずみ


「再婚してから数年経った頃、私は気が付くと足繫く占いに通うようになっていました。子どもを持つことについて、迷っていたんです。できれば欲しい。でも私の出産リミットが近づくのと反比例するように、アンソニーは『20代のゴールデンタイム』と、慣れてきた日本での暮らしを謳歌するように。この状況で、子どもを産んで果たして夫婦としてうまくいくのか。迷っていました」

悩んでいたのは、冴子さんが35~36歳、アンソニーさんが27歳~28歳の時期。女性の30代後半と、男性の20代後半では、見えている景色がずれてしまうのは予想できます。

悩んだ冴子さんは、とうとうアンソニーさんに気持ちを打ち明けます。できることなら子どもが欲しい。でも高齢出産になり、冴子さんがすぐに仕事に復帰できる保証はありません。万が一のときの経済状況を考えると不安も。何より、あなたは父親になりたいという気持ちはある? と。

夫婦としては当然の話し合いですが、この時はひどく勇気が要った、と冴子さんは語ります。それまで「物分かりのいい年上の恋人」としてアンソニーさんに接していた部分もあったのでしょう。しかし、夫婦はそれだけでは先に進むことはできません。

真摯に向き合った冴子さんの気持ちが伝わったのか、アンソニーさんは当初驚きながらも、「君が子どもを望むなら、僕はそれを叶えたい」と笑顔で同意したといいます。

冴子さんが妊娠・出産したのは38歳のときでした。

果たして30歳で父になったアンソニーさんは、どのように変化したのでしょうか?