『女性の品格』の著者に聞く、中年期以降の心の持ち方


コロナ禍に国際情勢の緊迫、さらには物価高騰と、次々と不安要素が立ち現れる昨今。人生100年時代とは言われていますが、寿命が延びたことを素直に喜べないムードがありますよね。

 

特に企業の正社員として生きてきた人の中には、定年後の長い人生をどのように生きようか頭を抱えている人も多いでしょう。そんな人々に向けた生き方のハウツー本も多く出ていますが、それらを読み漁っても将来への不安を根本から払しょくするのは難しいのではないでしょうか。ここ2~3年の社会の動きを見てもわかるように、誰も予想だにしなかった事態が確実に起こるからです。

では、不安に苛まれないためにはどうすればいいか? 筆者は、どんな環境の変化にも動じない「心」を作っておくことが何より大事ではないかと考えています。

そこでお薦めしたいのが、ベストセラー『女性の品格』でも知られる坂東眞理子さんの著書『女性の覚悟』です。現在70代半ばの坂東さんが、後続世代に向けて強く生きるためのメッセージをつづった本書。「~しなければいけない」といった強制系でもなければ、「今のままで大丈夫」といった甘言一辺倒でもないメッセージの数々は、坐禅の警策のようにすっきりと心に喝を入れてくれるでしょう。

今回はそんな本書をベースに、著者の坂東さんへインタビューを敢行。中年期以降の心の持ち方などをうかがいました。

自分を「大事にする」ことと「居直る」ことは別もの。坂東眞理子さんに聞く、50歳以降の心の持ち方_img0
 

坂東眞理子(ばんどう まりこ)さん
昭和女子大学総長・理事長。1946年富山県生まれ。東京大学卒業後、総理府入省。95年埼玉県副知事。98年オーストラリア・ブリスベン総領事。2001年内閣府初代男女共同参画局長を務め03年に退官。04年昭和女子大学教授、同大学女性文化研究所長。07年に同大学学長、14年理事長、16年から総長。著書にデビュー作の『女性は挑戦する』、320万部を超えるベストセラーの『女性の品格』のほか、『70歳のたしなみ』『幸せな人生のつくり方』など多数。