その気づきによって、なんだか免罪符をもらったような気分になったのかもしれません。いつしか我が家にも、アニマルモチーフのアイテムが着々と増えておりました。きっかけはやっぱり、蚤の市。鳩の置き物が可愛いなと思ったものの、こんなものどうするんだ? と一瞬考え直したのですが。夫に聞いてみたところ「でも、そういう個性のあるアイテムを揃えていくことで、自分らしいおしゃれ感ができるんじゃない?」と。

こちらがその鳩。そんなに安くもなかったし、どうかなあと思ったのですが、今ではなくてはならない存在。ミニチュア作家さんがYouTubeを観て、我が家のお皿や小物を作品として作ってくださったのですが、その際もこの鳩が選ばれてました!

私より長くフランスに住み、そして仕事でおしゃれな人の家の撮影にもよく行っていたので、そういった例をよく見てきたみたいです。なるほどね〜と背中を押してもらって、その鳩を買いました。さて、家に飾ってみたら……「あら、いいじゃない!」。横にお花を飾ると、さらに愛おしいスペースに。ええ、実用度で言えばゼロです。いや、邪魔なだけマイナスか? でも、そこにあるだけで気持ちをぐーんと楽しくしてくれるのが、自分の好きなものの威力なんだな、と。

 

少し前に我が家のインテリアについてのインタビューをしていただく機会があったのですが、「その場ではいいと思ったのに、家に持ち帰ったらイマイチ合わないなど、インテリアの失敗は多いけれど、どうしたらうまくいきますか?」という質問を受けました。で、私が思ったのは「もっとモノを追加すべしでは?」ということ。

気がついたら増えていた我が家の動物グッズ。ひとつだけだとちょっと唐突かもしれませんが、いくつも揃えるとチカラワザ的に「その人の好きなモノ、個性」にできる気がしてるんですが、どうでしょう?

だって、いいと思ったなら好きなモノのはずだし、持ち帰ったら合わないというのは、そのいいと思った“テイスト”のモノが足りてないため、他のテイストの中で浮いてしまったのでは? と思うのです。なので、各種“テイスト”のものをそれぞれ増やしてグループを作ってしまえばいい。一点ずつだと相反するとしても、グループ内でならしっくり馴染むはず。そしてそんなグループが混在する家こそ、その人らしい「個性」ある家となる気がするのです。実際、ルームツアーで話を聞いた際も、多くのフランス人たちは「あれこれ置き場所を変えてみたり、別のものと組み合わせてみるなど、トライアンドエラーを繰り返してインテリアを考える」と言っていました。

まあ、そうは言っても私もずっと試行錯誤中です。例えば、自分の好きなものはだいぶ決まって揺るがなくなったけれど、夫の好みは私のそれとは当然違うわけで。なんとかうまくケンカしないで、互いの好みを混ぜ混ぜできる方法を日々考えています……。

撮影/Yas