増えてきた肌悩みに応えることにばかり気を取られていませんか? 40代からこそビューティは自由に、アグレッシブに、そしてエモーショナルに楽しむべき! 長引くご自愛モードはもう終わり! 新しい時代を感じる、スタイリッシュでパワフルな美容のムードを美容ジャーナリスト永富千晴さんが解説します。
 

大人が上手に纏いたい、上品な香りのフレグランス

 

「好き」だけではダメだった、
改めて香りについて考えるきっかけ

 

美容業界に長くいますが、中でも特にフレグランスをはじめ、香りものがとても好きです。香りひとつでその人をイメージさせるとてもロマンティックなものですし、好きな香りをまとっている時がとても幸せだと感じます。ところが先日、念願のお料理教室に参加してきたところ、「まとってきた香りで、周りに迷惑をかけてしまっているかも」と感じる場面がありました。また最近は仕事の関係で地方に訪れる機会が多いのですが、普段過ごしている東京とは違って、「もしかして私、香りの主張が激しい?」なんて反省させられたんです。


使う場所、使う場面、そして使い方ひとつで毒にも薬にもなるものだと再確認。例えばお料理教室ならボディミストのような軽めのもの、空気が美味しいならアロマタイプのものなど、大人の使い方としてスマートに洗練させていかねば! と気付かされました。

 


さりげなく上品なつけ方って?
自分の体臭との相性もある

 

ここで少しおさらい。フレグランスのつけ方というと? 手首や首筋につけるという方が多いかと思います。パルファムの場合は「キスしてもらいたいところにつけるもの」と言われています。スプレータイプのフレグランスの場合は内もも、さらにアンダーヘアに忍ばせるのがよいとも。こなれた男性ともなると、背中にも。香りは上に上がっていく性質があるので、背中に忍ばせておくことで対面の時には香りすぎず、立ち去った時に香るというなんともエレガントな使い方をなさっているそう。。身近に香水プンプンの男性がいたらぜひアドバイスを……。

さて、とあるパルファンの先生にお聞きしたところ、香りにも自分との相性というものがあり、「香りをつけて、シャワーでトップノートを揮発させてから眠りに就き、朝の残り香が心地いいと感じるなら相性のいい香り」なのだとか。香水自体の香りと、自分の体臭と混じった香りとはやはり異なっていて、自分らしさと心地よさを両立させた香りと出合いたいものです。かつて海外で、ものすごく素敵な香りをまとった女性と街で出会い、「何の香水を使っているんですか!?」と突撃して聞いた経験があります(笑)。帰国後、うまく聞き取れなかったながらも、教えてもらったブランドに行き、記憶を頼りに片っ端から試したのですが、同じ香りとは出合えず……。そこで同じ香水でも体臭や体温により、甘くも爽やかにも転ぶのね、と知らしめられました。

香りはロマンチックな記憶とリンク。
だからこそ、上手に味方につけて


相手を生理的に好きか・嫌いかは、まず香りによって感知している。なんて、聞いたことのある方もいらっしゃると思いますが、お別れした後も最後まで記憶に残るのは香り=匂い、とも。つまり恋愛は嗅覚から始まり、香りで終わる……。そのため、自身の魅力を高めるうえでも香りの力を味方につけたいものです。ロート製薬の「deoco」の研究によると、若い女性の持つ特有の甘い香りが30代から激減し、香りが変化していくことが判明。となると、大人女性の香水選びは、“ちょっと甘め”が正解なのかも!? スパイシーでモード、スタイリッシュさに振り切ると、どうしても女性らしさとは離れてしまうのはホルモンも関係していたなんて! 特に肌や髪のツヤ感がダウンしてきたと感じたら、香りはやや甘めにシフトするとバランスがいい気がします。もちろん、香りの楽しみ方は自由ですが、つける場所や場面、つけ方、体臭、そしてホルモンの状態なども少し意識して、いまの私にふさわしい一本を探してみてはいかがでしょうか。