「スタッフの今日のコーデ」の私服姿にファンの多いエディター・松井陽子さん。記事の中でも松井さんのスタイリングにもよく登場する、「もはや体の一部のよう」という最愛のファッションアイテムの魅力をお届けする連載企画です。

今回訪れたのは、天然の宝石をジュエリーに仕上げる「bororo」(ボロロ)のアトリエ。前回に続き、デザイナーでありディレクターの赤地明子さんにものづくりの裏側についてお話を伺いました。


吸い込まれるように惹かれた
『クリソプレーズ』の「ロックリング」

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私は「ロックリング」(大きい方のデザイン)を選びました。地金はシルバーに18Kゴールドメッキを施したタイプです。このリングが1つ加わるだけで、全身の印象もパッと明るくなります。この色にぱっと目が留まるようで、周囲にもよく褒めてもらえるのがうれしい(笑)。

私がbororoのジュエリーに出会ったのは、50歳になる直前のこと。前回も綴りましたが、そもそものきっかけはカラーストーンに惹きつけられて。以前の「今日のコーデ」でもそのエピソードを記事にしましたが、大学の同級生でもある大草直子ちゃんと撮影している時に、なんちゃんがセレクトしていた天然石のリングがとっても素敵で! 吸い込まれるように惹かれてしまったのです。

手元を飾る小さなピースのはずなのに、まるで突如現れた異次元の空間のよう。大好きなパールやダイヤモンドなどの手持ちのジュエリーのどれとも違う存在感がとっても気になって、それから私にとってitとなるようなカラーストーンを探すようになりました。

実際にいくつか見て回って「これ!」と思ったのは『クリソプレーズ』という石でした。青リンゴにも喩えられるような、淡く薄い緑色です。そして、そのクリソプレーズをあしらったリングを探していてヒットしたのがbororo。私が一目惚れしたのが「ロックリング」だったのです。そして「もう、これは実際に見せていただくしかない」と勇んでアトリエにお邪魔したのでした。

 

地中深く眠っていた天然石のあるがままの表情。
エッジの効いたデザインで、今のものにする


アトリエで見せていただいたリングは、手元を飾る小さなピースのはずなのに、それはまるで突如現れた異次元の空間のよう。独特のカッティングが施されたクリソプレーズの石に、ふわっと吸い込まれそうな不思議な奥行きを感じました。それは、大好きなパールや、ダイヤモンドなどの手持ちのジュエリーのどれとも違うもの。

そしてその石をキリッと引き立てているのが、地金との見事な一体感でした。継ぎ目を感じさせない、フラットで滑らかなデザインは、まるで最初から一つの塊だったかのようで、眺めていると不思議な錯覚を覚えるほど。どこかフューチャリスティックで、とても新鮮だったのです。

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ガーデンクオーツのロックリング(左)とミニロックリング(右)。ロックリングは1点でもスタイリングのポイントにもなる大きさで、存在感も抜群。ミニロックリングは初めて購入される方、指が細い方にも人気なのだそう。(左)リング¥187000、(右)リング¥143000/ともにbororo
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ロックリングのラウンドタイプ。楕円状のシームレスなフォルムはモダンでありつつもどこか有機的で、印象的。(上)リング〈ミルキークオーツ〉

「『同摺り』という、石と地金を張り合わせてから同時に磨くという、伝統的な研磨の技法なんですよ。高い技術力が問われ、そして経験があってこその技術なんです。それをここまで完璧に行ってくださっているのが山梨県の詫間宝石彫刻の職人さんなんです。あまりにあざやかな手作業で、そばで見ているとつい見惚れてしまうんです」と、デザイナーの赤地さん。

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デザイナーの赤地明子さん。「bororoは旅する宝石商」とおっしゃる通り、ニューヨークで宝石鑑定を学び、その後2年半かけて50カ国ほどを巡りながら各地の石を見て回ったそう。
 
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