「ネポティズム・ベビー」という言葉をご存知でしょうか。
ネポティズムとは、縁故主義。ネット・ニュースでは主に、親の七光りである2世セレブを指す言葉として使われています。
昨今、モデル界でも映画業界でも、大物セレブの子どもたちが続々参入。シンディ・クロフォードの娘であるカイア・ガーバーや、ジョニー・デップとヴァネッサ・パラディの長女、リリー=ローズ・デップも然りです。しかし実はコレ、最近に限ったことではありません。彼女たちの親世代を遡っても、ドリュー・バリモアやグウィネス・パルトロウ、チャーリー・シーンなどなど、親が俳優という2世セレブは珍しいことではなく、むしろハリウッドは縁故主義が当たり前という世界。
にも関わらず、なぜか今アメリカでは、ネポティズム・ベビーについての論争が激化中。それに対し、2世セレブたちが反論する姿も。
オスカー女優の母親と大物プロデューサーの父親を持つグウィネス・パルトロウは、俳優スティーブ・ボールドウィンの娘であるヘイリー・ビーバーのYouTube番組で、七光りと呼ばれることに対してこう語っています。
「有名人の子どもとして、他の人々が持っていないアクセス権を手に入れることができる。だけどその業界で活躍するにはそれくらいのレベルじゃどうにもならない。もしその業界にズルをして足を踏み入れたら、普通の人の2倍は努力して結果を出さないといけなくなる」。
なぜなら人々は親が有名人だというだけで、初めから色眼鏡であなたの実力を見下すから、とグウィネス。その努力の甲斐あって、1999年には『恋に落ちたシェイクスピア』でオスカーを獲得。そんなグウィネスが語るからこそ、この言葉には説得力があります。
リリー=ローズ・デップも同じような苦悩を最近のインタビューで吐露。
「親が有名人というだけで、人々は、自分がどのようにそこにたどり着いたかについて先入観を持つ。俳優として役をもらうには、自分がその役に相応しいかどうかということが必要なのに」。
その業界のドアに足を踏み入れるきっかけにはなっても、そこで成功するには本人の努力が必要だと彼女も主張。
カイア・ガーバーは15歳のときに、90年代の伝説的スーパーモデルである母、シンディ・クロフォードの横に立って写真を取られるのは嫌だとコメント。「ママが素敵すぎるんだもの。脚は長いし実際の年齢には到底見えないし、不公平だわ」。
偉大な親の功績や外見と常に比較されるプレッシャーに、活躍しても「どうせ親の七光りだから」と言われてしまう辛さ。それは本人たちにしかわからないものでもあります。
リッチで華やかな世界に生まれ育ち、有力者に人脈を持つセレブ・キッズは、持たない者からすればどうしても不公平に見えてしまう。
けれどその恵まれたDNAやバックグラウンドの優位性を活かせるかどうかは、もちろん本人の才能と努力次第。ハリウッドに一気に増えた2世セレブたちが本当に親の七光りだったかどうかは、10年後くらいの活躍ぶりを見ないと、わからないことなのかもしれません。
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