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27再婚後に夫の“病的な女遊び”が発覚...不倫を乗りこえ、夫を許したシングルマザーの本音

2022.12.8

山本理沙

「私は幸せ」と言い切れる理由

さらにご主人は、「原因を断つ」ためにすべてのSNSを削除、スマホの電話帳なども美月さんの見ている前で女性や悪友の連絡先をすべて消去したと言います。

「……もちろん、夫を全面的に許したわけではありません。というより、好きだからこそ裏切られた辛さはなかなか忘れられません。でも彼がそこまでするなら、もう少し一緒にいてもいいと思いました。

それで、どうせなら暖かい場所へ、と思い沖縄に移住を決めました。幸い今はリモートでお互い仕事はどうにかなりましたし、私の借りている東京のマンションはそのままにしているので、必要に応じて戻っています」

根本原因を断つ、というのは正しいと思いますが、これをすぐに実行する行動力には驚きます。現在は沖縄で賃貸住まいだそうですが、戸建てを買う準備も進めているそう。ご主人は欠点はあっても、美月さんへの気持ちは本物なのだという印象です。

また美月さんの元ご主人は、この間に新しい恋人ができ、見事に美月さんから興味が逸れたのだそう。そのため移住に関して特に問題は起きませんでした。

そして移住後、ご主人は本当に人が変わったように落ち着いたそう。息子さんと美月さんと暮らすようになってからは外出も少なくなり、家族円満で平和に過ごし、毎日飲んでいたお酒の量も一気に減ったと言います。彼は変わったのです。

「占いの通り、今は反省していてもまた浮気される可能性はあるでしょうし、彼を許したのが正しい選択かどうかはまだわかりません。でも、尊敬や感謝できる面もたくさんある彼を嫌いにはなれなかったし、別居婚と事実婚を選んだのは私で、この経験も学びになりました。

でも、過ぎたことはいったん忘れて、一度きりの人生を私はできるだけ楽しみたい。沖縄生活はたしかに東京と比べれば誘惑が少なく、家族の時間を大事にできます。今、私は幸せです」

普通なら心が折れてしまいそうな経験にも強く立ち向かい、ご自身の力で人生を切り拓いている美月さん。最後にその秘訣はどんなものなのか聞いてみました。

「……何でしょう。でも、辛いときは自分に『これは今だけだ。すぐに良くなる、私は絶対に幸せになる』と言い聞かせていました。

あとはやっぱり、色々な経験をして痛感しましたが、特に子どもがいると、お金は本当に大事です。パートナーがいようといなかろうと、経済的に自立していることは女性にとって重要だと思います。

仮に私が夫に経済的に頼っていたら、たぶん『浮気が直らないなら離婚する』と言えず、彼を変えることもできなかったと思うんです。経済力があるから自由な選択ができるし、なければどうしても判断が鈍る。男に振り回されないためにも、経済力は大切だと身に染みました」

この連載を通してたびたび出てくる「女性の経済的自立」というキーワード。女性が自由な選択をするには、パートナーがいなくても自活できる程度の経済力は必須と言えます。

そして美月さんの話を聞いていると、ご自身が自立しているからこそ、トラブルが起きたときに悲観的になりすぎず、良い意味で相手を許すことも割り切ることもできるのかも知れないとも思いました。ご主人もきっとこんな美月さんには頭が上がらす、人として深く尊敬しているのだろうと予想できます。

また、万一ご主人が再び浮気をしたら次は許さないと決めているという美月さん。そのためいつ離婚してもいいよう、現在は沖縄生活をしながらさらなる事業拡大に向けて精を出しているそうですが、「したければいつでも離婚できる」という自信があるからこそ、それでも一緒にいる今の状態を「幸せ」だと断言できるのだとも感じました。

母として妻として、経営者として、今後もぜひ美月さんなりの幸せを突き進んで欲しいです。

写真／Shutterstock
取材・文・構成／山本理沙