「おしゃれに我慢はつきもの」そんな言葉がありますが、時代は過ぎ去り、“ストレスフリー”が合言葉のようになってきました。例えば足もと。高いヒールも時には必要だけれど、女らしいフラットシューズやスタイリッシュなスニーカー、大人も履ける厚底シューズなど、歩きやすくておしゃれなシューズが数多く登場している昨今、足が痛くなることも減りました。我慢からはずいぶんと遠くなった気がします。
コートも同様です。「冬はやっぱりウールコートが良いけれど、もう重いのは着たくない……」「重さのあるコートは肩が凝っちゃうのよね」そんな声もよく聞きます。
機能的で最先端の技術を駆使した素材が開発され、ヒートテックや軽くて薄手のダウンなどが手に入るようになったので、もっと自由にコートが選べる時代になったはず。
「定番アイテムでおしゃれをとことん追求する」スタイリスト斉藤くみさんにとって毎日でも着たくなるコートとは、「ストレスフリーな進化系トレンチコート」とのこと。
第5回目の今回はトレンチコートについて聞きました。
右/バーバリー 左/ノーク バイ ザ ライン(斉藤さん私物)
私たちの毎日には様々な場面がありますよね。子供が小さかったら公園にも行くし、走ることもあれば荷物を両手いっぱいに抱えることもあります。どんなシーンにでも似合い、羽織ってもボタンを閉めても表情豊かに着られる軽やかなコートがあったら毎日着たくなりませんか?
さらに年々、体に負担のかかるアイテムから自然と手が遠のくようになってしまった私にとって肩こりと無縁な軽やかなコートが必須だったんです。それがトレンチコートでした。
バーバリーやサンローラン、セリーヌといった永遠の名品と呼ばれるアイテムも着てきました。それらは美しいフォルムやトレンチと呼ばれる所以の不変のパーツが散りばめられています。そんな永遠の名品は私にとってなくてはならない定番アイテムでもあるのですが、“毎日着られる”定番トレンチコートも欲しくて。
軽くてコーディネートの邪魔にならず、着ていて楽なトレンチコートの進化系。それが今回、デザインしたトレンチコートでした。皆さんにとって毎日のパートナーとして着てもらえたらと思っています。――斉藤くみさん
定番アイテムの楽しみ方①
アウターとしても優秀。
ストールやデニムジャケットをレイヤーするのもオススメ
コート¥38940、デニム¥19910/リネイヴ(ネイヴ) ニット¥49500/エイトン(エイトン青山) ストール、バッグ/エルメス シューズ/メゾン マルジェラ(斉藤さん私物)
トレンチコートは決してコンサバなアイテムではないと思っています。もっとラフに、ガウンのように羽織る日があってもいい。どんな服にも合わせられるトレンチコートの進化版がこのコートです。トレンチのパーツを省き、削ぎ落としたシンプルなデザインだからレイヤードするのも簡単。スプリングコートのイメージの強いトレンチですが、シーズンを問わず着たって良いと思うんです。ストールやマフラーをオンしたり、中にデニムジャケットを着込むのも好き。もちろんヒートテックインナーを着ることもあります。腕をまくってラフに着てもシワにならず、さらに撥水加工までされている素材だからこそ、スタメンとして選びたくなる毎日の定番コートです。
やっぱり定番。エルメスのストールが
コートに映えます
定番×定番のコーディネートはどんなものでもしっくりくるものだから、時を経てもずっと使い続けられる小物はおしゃれの財産になります。ストールは色合いの印象が異なるもの、風合い、大きさ違いなどを選んでおくと役立ちます。
定番アイテムの楽しみ方②
機能的な素材で
“綺麗めなアウター”に進化させました
コート¥38940/リネイヴ(ネイヴ) ブラウス¥56100、パンツ¥53900/ebure(ebure GINZA SIX店) バッグ/ボッテガ・ヴェネタ シューズ/ザ・ロウ(斉藤さん私物)
トレンチコートの良さはどんな場所にでも、どんなコーディネートでもこなせるところ。大人な場面でもなんなく対応できる、まさに“大人”なアイテムです。後ろ姿、横顔、360度どこを切り取っても姿勢よく綺麗めな雰囲気でまとめることができ、凛とした印象。やや太めなベルトでタイトに締めると表情が変化するのも、トレンチコートの楽しみな点。
最近の機能性素材はとても進化しているんです。このコートは丸ごと洗濯機で洗えるという驚きの進化素材。軽量だから体に負担もなく、洗濯機で洗えてシワもつきにくくて、撥水加工もしてあるなんて、忙しい私たちと時代にぴったりですよね。
- 1
- 2
Comment