小物選びはその人や立場を表すものでもあり、おしゃれを仕上げる重要な役割でもあります。さらにおしゃれ経験値が上がる大人になればなるほど、その重要性は増していく気がします。

毎年発表される旬を感じさせる小物はいつものおしゃれに楽しいエッセンスを与えてくれるし、トレンド小物を主役にしたコーディネートも気分を高揚させます。ですが、自分らしいと思える頼りになる小物は持つ人のイメージとして定着。その人を語る小物になるのです。だからちょっとお値段が張るものでもずっと使えるから、買って後悔しないアイテムに。ついつい幾つもトレンド小物を買ってしまってタンスの肥やしになってしまう、なんてことがなくなります。
連載6回目の今回は、「定番アイテムでおしゃれをとことん追求する」スタイリスト斉藤くみさんにとって永く使える定番小物ベスト5を聞きました。

 

スタイリストという職業柄、トレンドを見続けてきました。でも、意外だと思われるかもしれませんが、こだわりたくなるのはクラシカルで不動、普遍のアイテムたち。中でも小物はアップデートする必要がないと思うようになりました。

バッグはハイブランドの中でも新しく発表されたシリーズに手を出したことも多くありますが、最近、それらをすべて断捨離しました。バッグをカジュアルに持てなくなったんです。かえってマダムっぽく見えてしまうのがその理由。

年齢を重ねて似合う服が変化するとともに、合うバッグも変わっていきます。クローゼットにずっと置かれたまま日の目を見ないバッグたちは、すぐに手放すのが正解です。断捨離する時の判断基準は、時が経っても古く見えないアイテムであること、さらに娘が使えるかどうか。
また、靴は歩きやすくストレスフリーな名品だけを残すようにしています。
永く持て愛せる自分らしい「定番」に大人の“考えられたおしゃれ”を感じさせられます――斉藤くみ

 


定番①
不動のエルメス。
ずっと愛せる形を決めたらリピートします

 

バッグ/すべてエルメス(すべて斉藤さん私物)

Kumi’s コメント
エルメスのコンスタンスは形も大きさもクラシカルで大人が持つに相応しいアイテムです。エレガントに持つとハマりすぎてしまうので、ラフにカジュアルに持つぐらいが大人にはちょうどいいと思っています。大人になってからカジュアルスタイルが難しくなってきたと感じる人には是非、持ってほしい。なかなか手に入りにくいものだからヴィンテージショップで見つけるのもひとつ。そのほかバーキンも大きさ違いで数点持っています。唯一、重さがあっても許せるバッグかもしれません(笑)


定番②
シャネルのアイコニックなバッグは
持っているだけで楽しくなります

バッグ/すべてシャネル(すべて斉藤さん私物)

Kumi’s コメント
シャネルのバッグは持つだけで、華やかな気分になったり、ワクワクした気分になるから不思議ですよね。実は以前、断捨離で数を減らしたんです。残したのは最もアイコニックで使いやすい形と大きさのもの。同じブランドで異なる形を持つ人が多いのかもしれませんが、形を決め、異なる素材や色の違いで表情の変化を楽しむのも、自分ならではの定番づくりの方法です。


定番③
デルヴォーの「ブリヨン」シリーズは
上品さの代名詞に

 

バッグ/すべてデルヴォー(すべて斉藤さん私物)

Kumi’s コメント
1958年に発表されたデルヴォーのブリヨンシリーズ。上質な皮革と美しいバックルは持つだけで、コンサバティブで上品な表情になります。色や素材もベーシック、大きさも使いやすいものがおすすめです。持てば持つほど味が出る皮革。受け継いでいきたいバッグのひとつです。
 
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