時代小説の大家・池波正太郎の代表作のひとつ『仕掛人・藤枝梅安』。これまでも多くの名優に演じられマンガ化、映像化されてきた魅力的な原作を、現代ならではの演出で描く映画『仕掛人・藤枝梅安』二部作が、この春注目です。人の命を救う「鍼医者」でありながら、悪を葬るために人を殺める「仕掛人」。そんなふたつの顔を持つ主人公・藤枝梅安を、豊川悦司さんがクールに、時に切なく、そして艶っぽく演じます。豊川さんといえば、数々のドラマや映画での“渋い大人の色気”という印象が際立ちますが、今回、主演を務める映画『仕掛人・藤枝梅安』で見せる彼の姿は、とても生暖かくて、いい意味で人間臭さも。役に合わせて形を変えながらも、常に人を惹きつけてやまない魅力の秘密に迫ります。

 

インタビュー前編
【豊川悦司】医者と殺し屋“二つの顔“を持つ男を演じて思うこと「人間味があるということを、とても気をつけていた」>>

【豊川悦司】「解決しない問題は解決しないし、手に入らないものは入らない」年齢を重ねて辿り着いた結論_img0
 

豊川悦司
大阪府出身。1990年、北野武監督の映画「3-4×10月」に出演し注目される。以降、 91年「12人の優しい日本人」、 92年「きらきらひかる」、 95年「Love Letter」、 96年「八つ墓村」と映画に出演。ドラマでは 92年~ 93年「NIGHT HEAD」、 95年「愛していると言ってくれ」、 97年「青い鳥」など主演ドラマが大ヒットし、人気、実力ともに日本を代表する俳優に。主な映画主演作に 00年「新・仁義なき戦い。」、 07年「愛の流刑地」「サウスバウンド」「犯人に告ぐ」、 10年「今度は愛妻家」「必死剣 鳥刺し」、 11年「一枚のハガキ」、 16年「後妻業の女」、 19年「パラダイス・ネクスト」、 22年「弟とアンドロイドと僕」「あちらにいる鬼」など。 20年ハリウッド映画「ミッドウェイ」では連合艦隊司令長官・山本五十六を演じ好評を博した。 22年「キングダム2 遥かなる大地へ」の麃公役も話題に。「そして僕は途方に暮れる」が公開中。