上下関係を超えた対等なコミュニケーションに挑戦


上司、先輩、教師、姑など。自分より「上」の立場の人が相手だと委縮して言いたいことを言えなくなってしまう人は多いと思います。特に日本の社会では、上の人に意見しないことを自然に受け入れてしまいがち。

ただ、その逆を考えるとちょっと怖いですよね。自分に笑顔で接してくれる「下」の人が本当はどう思っているのか……繊細な性格の人は、どんどん気になって疑心暗鬼に陥るかもしれません。

では、上下関係というしがらみを超えて対等に話をするにはどうすればいいのでしょう? そのヒントをくれるのが、コミュニケーション関連の著作も多い戸田久実さんの著書『アサーティブ・コミュニケーション』です。

 

タイトルにもなっている「アサーティブ・コミュニケーション」とは、お互いの立場や主張を大切にした、自己主張・自己表現のこと。ちなみに、戸田さんは本書においてアサーティブ・コミュニケーションの土台は「相互尊重」と「相互信頼」であり、「『わたしは相手にわかるように伝えられる』という自分への信頼と、『この人は耳を傾けてくれる』という相手への信頼の両方が必要です」と書かれています。

 

どうやらアサーティブ・コミュニケーションを身につけるには、テクニックよりも先に自分のマインドを磨き上げる必要がありそうですね。では、具体的にどうすればいいか? 今回は本書から、上下関係のコミュニケーションを対等に行うための「心構え」について書かれた個所をご紹介します。