坂口健太郎の自己肯定感の高さは、世界を救う
それでいて、備長炭よりマイナスイオンが出まくってるのも、坂口健太郎のいいところ。生放送の番組にイクラの指輪をつけて登場し、MCを戸惑わせたり。「キノコって喋るんですよ」と謎トークを展開し、共演者の宮澤エマさんに「サイコパスっぽい」とぶった切られたり。ふざけるのが大好きで、自由気まま。坂口健太郎って、なんだかいつも楽しそうなんです。一方で好きなパスタの味を聞かれて「太麺」と答えたり。ニットキャップだと思ってかぶっていた帽子が、実は水泳キャップだったり。隠し切れない天然感についほのぼのとしてしまいます。
笑うと子どものように目元が綻び、えくぼが広がる。めでたく今年で31歳を迎えましたが、今もって坂口健太郎の笑顔は赤ちゃんと3勝2敗で勝ち越しできるくらい癒し効果がある。たぶん首元を嗅ぐとミルクの匂いとかする。PRADAのアンバサダーを務めるほどスタイリッシュなのに、つっかけを履いて裏道を散歩してそうな親しみやすさがあって。そのゆるゆるとした脱力感に、張りつめていた肩の力が抜ける最強のぽわぽわ男子でもあるのです。
今、坂口健太郎がこれだけ時代の空気にマッチしているのも、彼の持つ自己肯定感の高さがある気がします。本人もたびたび自己愛の強さは認めていますが、だからと言って坂口健太郎からは、自己肯定感が高い人特有の押しの強さというか、ポジティブの押し売り感はまったくしません。あくまで、彼の健やかさは彼自身のものであって、それを振りかざしたり、ネガティブな人を排斥したりしない。
なぜなら、彼の自己愛の根底にあるのは、亡くなったお父様からもらった「自分自身の評価は自分でしなさい」という言葉だから。人は人。自分は自分。そうわかっているから、他者に惑わされないし、他者を否定もしない。
このスタンスって、現代を生きていく上でめちゃくちゃ大切なことだと思うんですよね。つい他人と比べたり、人の目が気になったり。そんな現代病に心をすり減らしている人がたくさんいるからこそ、一般社会以上に比べ合うことを余儀なくされる芸能界という修羅場で、自分らしく、いつも機嫌良く生きる坂口健太郎の伸びやかさに、人生を楽しく生きるヒントをもらうのです。
ソファで隣に座るより、坂口健太郎にしてほしいこと
お父様を亡くして以来、これからお母様をハグする人がいないんだと気づき、会うと必ずお母様をハグするようになったという有名なエピソードからわかる通り、家族思いで優しい性格。知れば知るほど、どんどん深みに溺れてしまう坂口健太郎は、もはや存在がバイカル湖(最大水深1,642 mです)。
そんな「ソファで隣に座ってほしいタイプの推し」ナンバーワンの坂口健太郎ですが、もしも坂口健太郎がソファで隣に座ってくれたら……? なんて妄想をするだけで、脳の血管が4〜5本切れそう。所詮こちとら認知されたくないオタクなので、過度の至近距離は健康に悪すぎる。せめて……せめて……もう少し低刺激な妄想はないのか。
で、一生懸命考えた結果、思いつきました。
切れた電球を取り替えに来てくれる坂口健太郎。これ、めちゃくちゃ良くないですか。
身長183cmの坂口健太郎に踏み台なんていりません。すっと腕を伸ばしただけで、電球に手が届く。その身長差にまず長友くらいブラボー! って言いたい。さらに、ずり下がった袖から覗く血管とか、上を向いたアゴの角度とか、大きく突き出た喉仏とか、考えただけで動悸が止まらない。たぶんそんなもの直接お目にかかれたら、それだけをよすがに余生を生きていける。
しかしまあ当たり前ですが、坂口健太郎が電球を取り替えに我が家まで来てくれるはずもなく。チカチカと点滅する部屋の明かりを見ながら、坂口健太郎が来てくれたら……とため息をついて今年も終わりそうです。
坂口健太郎さまへ。2022年もお疲れ様でした。来年もさらなるご活躍、心より応援しております!
文/横川良明
構成/山崎 恵
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