いとしさと切なさと半端なさで選んだ、2022年ドラマ＆映画ベスト５【エンタメベスト2022】

連ドラ『やんごとなき一族』

いろんな意味で強烈だったのがフジテレビ『やんごとなき一族』。毎回失速しない面白さがすごかった！『silent』と同じ木曜22時枠です。この振り幅よ……（笑）。

恋人・健太（松下洸平）と結婚することになった主人公・佐都（土屋太鳳）。距離を置いていたという健太の実家は江戸時代から400年以上続く名家ですが、後継者争いや男尊女卑など、今どきそんなことある?!　と言いたくなるような風習が残ったとんでもない家でした。

佐都と健太、通称”さとけんた”が魅力的でした。まず、やばい一族の中にいながらそこに染まらず、まともな考えを持っている健太が素晴らしい。どんなときでも佐都の味方でいて、一族の絶対的な長である父・圭一（石橋凌）にも意見する姿はかっこよかったです。演じる松下洸平さんにも合っていて、やはり松下洸平さんのやる役、最高！　と何度も思いました。佐都も決して悲劇のヒロイン的なポジションにおさまらず、自分で行動していく姿がかっこよかった。時には「ヒロインではなくヒーローなのでは？」と思う瞬間もあるくらいでした。

そしてなんといっても外せないのが、松本若菜さん演じる美保子のインパクト。あの手この手で佐都に嫌がらせをするんですが、怪演が光りすぎて、ムカつくけどムカつきを通り越して面白すぎました。早口言葉の長ゼリフでまくし立てたり、替え歌でムカつくことを言ってきたり……何度TVの前で声を出して笑ったことか。公式SNSでも「#松本劇場」のハッシュタグで毎回舞台裏が公開されました。毎回面白かったのは、間違いなく美保子さんのおかげな気がします……（笑）。

松本若菜さんはドラマ『復讐の未亡人』でもある意味美保子とは真逆の悪女を演じているので、ぜひそちらもチェックしていただきたいです。