心の余裕さえあれば、物事の受けとめ方は変わる
最初に拍手をした紳士をはじめ、モナコの人たちは、アルバトロスに驚かされた私を、ユーモアでやわらかく包んでくれました。
モナコで暮らし始めて知ったのは、差し迫った状況でも、笑顔を忘れないことの大切さです。レストランでのハプニングの対応一つとっても、同じ空間を共にする人たちみんなが幸せになれる雰囲気作りを、誰もがしています。私はあの日、「悲劇を喜劇に変えていく素晴らしさ」を初めて知りました。
そして、「心の余裕さえあれば、物事の受けとめ方は変わる」とモナコの人々やアルバトロスに教えられたような気がしました。
食前のワインやおいしい料理をいただき、モナコでのゆったりとした時間を楽しむ……そんな理想の1日にはならず、アルバトロスに邪魔されるという予想外の展開に翻弄された1日となりました。
でも、考えてみると人生も同じですよね。思い通りにいかないことだらけです。落ち込んだり、苛立だったり、不運を嘆いたりしていても仕方ありません。視点を変えてみれば、喜劇の種はそこかしこに見つかります。
ユーモア一つで、周りの人も巻き込んだ幸せな空気が生まれるのです。
もし次に私がアルバトロスの襲来を受けたら、こう言うことでしょう。
「一人でさみしかったから良かった。今日はきっと素敵な1日になりそう」
『結局、「手ぶらで生きる女」がうまくいく』
著者:エミチカ PHP研究所 1650円(税込)
50歳で夫を亡くし、キャリアゼロの専業主婦ながら美容ビジネスで成功し、世界中のセレブが集まる国・モナコでの幸せな生活を手に入れるまでになった著者が、モナコで学んだ幸せに生きるための極意を伝授。栄光と挫折の両方を経験した人ならではの深い洞察と、前向きでユーモアに満ちた発想に魅了されます。
構成/さくま健太
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