人の秘密は、蜜の味?

本音同様、人になかなか言えないものといえば、秘密があります。人間、秘密の一つや二つは誰もが抱えているものではないでしょうか? 『王様の耳』は、秘密に値段をつけて買い取ってくれる、奇妙なバーを舞台にした物語です。

オーナーの鳳麟太郎(おおとりりんたろう)は、大人の色気漂う、スーツの似合う渋めの男性。アルバイトの求人広告を見てやってきた、柴健斗(しばけんと、通称シバケン)の履歴書も見ずに雇い入れます。

 

鳳はシバケンに、バーテンダー未経験でも、それっぽく見えればいいし、掃除や接客をしてくれればいいというのですが、ただ一つ、重要なルールとして「秘密厳守」であることを伝えます。そして、このバーが秘密を買い取っている店だということも。

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もし、秘密を買い取ってくれるバーがあったら、あなたなら行きますか? 知り合いには言えないことでも、お酒の勢いも相まって、赤の他人になら言えるかもしれません。また、お金がもらえるかどうか関係なく、自分が楽になりたくて秘密を吐露したくなる時もあるでしょう。でも、本作を読んでいると、秘密を抱えたが最後、それを軽んじたり、面白半分に扱うと痛い目に遭うこともあり、大人たるもの秘密を抱えるのにも覚悟がいることを思い知らされます。

本作、個人的に激推ししています。女性セブンで連載されていて、単行本は2巻まで出ていますが、2巻以降のストーリーが気になって気になって仕方がなく、図書館で女性セブンのバックナンバーを全部閲覧して単行本未収録分を一気読みし、その後は毎週、女性セブンを読んでいます。もちろん3巻が出たら即買いです。秘密の持つ、恐ろしい魔力よ!

あなたの秘密、買い取ります。「王様の耳 ―秘密のバーへようこそ―」>>