伝えなければ、その喜びを知らないまま人生が終わる


そう考えた私は、セックスのことを、真面目に考えることにしました。学ぶべきこと、考えるべきことが山のようにありました。本を読んだり、インターネットで調べたり、自分一人で解決できないことは、ドクターやカウンセラーに相談したりしました。

「私の腟は干からびてカチンコチン」。老いを受け入れつつあった60代が、27年ぶりのセックスで気づいたこと_img0
写真:Shutterstock

そうこうしているうちに、彼との関係が変わってきたのです。セックスについて、自分なりの考えをもてるようになってきたからでしょう。自分がしてほしいと思っていることを、素直に言葉にして伝えられるようになったのです。彼は、そのような私を、きちんと受け止めてくれました。そのおかげで、彼とのセックスは、次第に満足できるものになっていったのです。

「こんなことまで書いて、よく平気でいられる」と思われるかもしれませんが、このままでいたら、性の問題はいつまで経っても「口にすべきではないこと」「一人で考えたり悩んだりすること」になってしまいます。セックスの喜びを知らないまま、人生を終わるのが当たり前になってしまうのです。

私と同じように、性のこと、セックスのことで、悩んだり苦しんだりしてきた多くの人が、悩んでいるのは自分だけではないと少しでも感じてくだされば、そして、いくつになってもステキな恋と楽しいセックスができるのだと感じてくだされば、私の恥知らずな告白は報われるというものです。

それを心から願って、少々破廉恥ではありますが、次回も60代の私が経験した恋とセックスの話をいたしましょう。
 

次回「最高のセックスは60歳を過ぎてやってくる。編集者・原田純さんが語る『セックスは中高年こそ楽しめる』その理由」は12月29日公開です!

 

 

著者:原田純(はらだ・じゅん)さん
1954年、東京生まれ。編集者。15歳で和光学園高校中退。1980年、長女出産。1989年、径書房に入社。現在、径書房代表取締役。著書に『ねじれた家 帰りたくない家』(講談社)、岸田秀氏との対談『親の毒 親の呪縛』(大和書房)『ちつのトリセツ 劣化は止まる』『人生最高のセックスは60歳からやってくる:ちつのトリセツ恋愛実践編』(径書房)がある。YouTubeチャンネルは「【ちつのトリセツ】原田純」。

医療監修:関口由紀(せきぐち・ゆき)さん
『女性医療クリニックLUNAグループ』理事長。2022年現在更年期前の女性を対象とした『女性医療クリニックLUNA横浜元町』と、更年期後の女性を対象とした『女性医療クリニックLUNAネクストステージ』を主宰している。医学博士、経営学修士(MBA)、日本泌尿器科学会専門医、日本排尿機能学会専門医、日本性機能学会専門医、日本東洋医学会専門医、横浜市立大学医学部客員教授。女性総合ヘルスケアサイト・フェムゾーンラボ社長、フェムテック協会代表理事。

「私の腟は干からびてカチンコチン」。老いを受け入れつつあった60代が、27年ぶりのセックスで気づいたこと_img1

『人生最高のセックスは60歳からやってくる:ちつのトリセツ恋愛実践編』
著者:原田純 監修:関口由紀  径書房 1760円(税込)

老いを受け入れ、恋やセックスと縁遠い生活を送りながらも、人生を楽しんでいた著者。しかし、60歳から始めた腟ケアで心境に変化が! 60代の恋、そして27年ぶりのセックス。今まで真剣にセックスのことを考えたことがなかったという著者が、後悔しない人生を歩むために、性欲やエクスタシー、そして恋人との「気持ちいいセックス」について、自身の赤裸々エピソードも交えながら真剣に考えます。



構成/金澤英恵

 

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