金髪にしたら、ベビーカーを蹴られなくなった

ハラスメントされないために「自衛が必要」は大きな間違い。弱者が弱者のまま、尊重される社会へ_img0
 

話を戻すと、確かに声が大きい人だと騒がれそうだから、狙いにくいのかも? そして逆に、私のように声質的に弱そうに見えるタイプ(ってっまあ友達と話すときはめっちゃ声大きいんですけどね)は、「支配しやすそう」に見えたのかもしれません。また、「派遣」かつ「若い女性」というのも、まさに狙われやすい要件だったように思います。

 

イベントでは、筆者が過去に遭ったハラスメントの話をすると、会場からも「うんうん(私も……)」という共感を帯びた反応が。やっぱり、同じ目に遭ってきた方は少なくない模様。

その後、話は「ハラスメントに遭いやすい人は自分を強く見せないといけないのか?」というところまで及びました。

SNSでは、「金髪にしたら、ベビーカーを蹴られたり、舌打ちされたりすることがなくなった」という子持ちの方のツイートや、「いかつい格好をするようにしたら街でぶつかられたりナンパされたりすることがなくなった」という若い女性の声などを何度か目にしたことがあります。
 

「強そうに見える」とヤツらは近づいてこない


入れ墨をしているように見えるアームカバーが、知らない人に絡まれたりドライバー同士のトラブルになったりするのを避けるのに有効(例えば煽り運転の標的にされにくくなるかも、など)という話を聞いたこともあります。

実際筆者も、派手な刺繍の入ったアウターを着ている日は、ナンパ師が待機している駅の近くの道で声をかけられないという発見をしたことがあります(その場所は通勤で通るため避けられず、手あたり次第声を掛ける人によく遭遇するのです)。

確かに、「強そうに見せる」ことは、日々の無用なストレスを事前に回避するための「ライフハック」なのだと思います。

一方で、金髪にしないとベビーカーを蹴られる世の中って……と思うのも事実。強い格好したらなめられにくくなるよ! と、「自衛」を“全肯定”して推奨するのも、何かが違う気がする。“そのまま”が尊重されないといけないし、ハラスメントに遭うなんてことがあってはいけないと思うんです。