自由に楽しむ「パール」と「きれい色ニット」【岡本敬子の50代ファッション】
ミモレの連載「好きな服を自由に着る!」で人気の服飾ディレクターの岡本敬子さんが、このたび新刊『私の定番』を刊行されました。この本の中で「誰かに決められた『定番』なんていうものは自分にとってはしっくりきません。ひとりひとり『定番』というものが違うからこそ見ていて楽しいし、着ていて面白いのではないかと考えています」と岡本さんが語られている通り、日々のスタイルを作る愛する“定番アイテム”がたくさん登場します。 今回は新刊より、冬のコーディネートを明るくする、岡本さん流「パールジュエリー」と「きれい色ニット」の着こなしをご紹介します。
フォーマルな存在のパールも、今は自由につける時代に
フォーマルなアクセサリーというイメージであまり興味がわかなかったパール。いつの間にか、Tシャツ×デニムにパールのネックレスやリングを合わせてドレスダウンするのが気分だったり、コスチュームジュエリーのパールチョーカーをシンプルな服に合わせたり、毎日何かしらパールをつけているように。この日は豹柄×ピンクという強いもの同士をあえてぶつけたスタイリングで、ディレクターを務める「Pili」へ。こういったスタイリングは今の年齢だからこそ可能に。パールが品良くまとめてくれます。
身につけていると落ち着くパールは、お守りのような存在
冠婚葬祭というイメージがあったパールも、今ではすっかりモードなジュエリーとして確立しました。デイリースタイルにお守り代わりとして毎日何かしらパールのアイテムを身につけています。パールとシルバーの相性がいいこともあり、あまり考えず他のジュエリーと組み合わせても馴染むのもありがたい。どのブランドもパールのラインはまず必ずチェックしてしまいます。特に好みなのはバロックパール。粒が綺麗に揃っているものはもちろん素敵ですが、歪で個性的な形のバロックパールにここ数年は惹かれます。自然の中で偶然できたものというのも魅力的だしね。
綺麗色のニットが映える季節が一番好き
子どもの時、母が家庭用編み機で作ってくれたニットがオレンジとブラックのミックスカラーだったことを覚えています。その後もブルーや黄色など鮮やかな色のニットを編んでくれました。そういった影響なのか、ニットを選ぶ時は色が綺麗なものを積極的に手に取る傾向があるかもしれません。冬の空気に綺麗色はとても似合うんです。夏にはもちろん冷房対策として大活躍。羽織り方によっては古臭い人になりかねないので、少しだけ注意が必要です。
岡本さんのスニーカーの着こなし、いかがでしたでしょうか。新刊 『私の定番』には、岡本敬子さんの愛する定番とその着こなしがたくさんご紹介されています。ぜひチェックしてみてくださいね。
『私の定番』
岡本敬子 著 光文社 1980円
ミモレの連載でもお馴染み、大人気ファッションディレクター岡本敬子さんのスタイルブック。今回のテーマはずばり“定番”。よくある無難さとは一線を画す、「好き!」が詰まったアイテムが集まり、目にも楽しい1冊。好きな服に袖を通して、軽やかにおしゃれがしたくなる。千駄ヶ谷のセレクトショップ「Pili」でディレクターも務め、そのセンスで絶大な支持を得ている著者の、唯一無二のスタイリングを集めて紹介します。
撮影/小川真輝 (物)、 三瓶康友(スタイリング)
ヘア&メイク/福場みどり
文/柿本真希
構成/ミモレ編集部
前回記事「コンサバティブにまとまりすぎない「白と黒のスニーカー」が日常の相棒【岡本敬子の50代ファッション】」はこちら>>
岡本 敬子
アタッシュ・ド・プレス、「KO」ディレクター。文化服装学院スタイリスト科卒業後、スタイリストオフィスに入社。その後、大手アパレル会社のPR部門にて国内外のブランドのPRを担当。独立し、アタッシュ・ド・プレスとして複数のブランドを担当しながら、2010年に自身のブランド「KO」を立ち上げている。現在はnanadecorにて「KO」ラインを、千駄ヶ谷のショップ「Pili」のディレクションも手がける。instagram:@kamisan_sun