ディーナが女の子から女性へと成長する物語
望海風斗さんは元宝塚歌劇団・雪組トップスター。制作発表が行われた際に望海さんは「映画の『ドリームガールズ』を観たときはまだ男役だったので、つい男性役側の目線で観てしまった」とおっしゃっていました。
敢えて、おふたりにそれぞれご自身の役ではなく、spiさんには望海さんが演じる“ディーナ”について、望海さんには「気になっていた」というspiさんが演じられる“カーティス”についてどんなふうに思っているかを聞いてみました。
spi:今まさに作品を日本版にしているところなのでまだまだ何とも言えないですけど、僕は【女の子が女性になっていく】ことなんだと思うんです。ディーナのモデルはダイアナ・ロスですよね。ミュージカル版、映画版と、様々なパターンがあるのでまだ確定ではないですが、特に2幕以降は観客とディーナが共に歩んでいくんだろうなって思っています。カーティスの立ち位置は、1幕はディーナを引っ張っていく立場だけれども、2幕ではヒールになる……。ディーナは普通の女の子なんです。それが女性に成長していくというイメージですね。
望海:ディーナにとってのカーティスは、何者かは分からないけれど、「この人について行こう」と思わせる、それだけの言葉の力や態度や、そういうものを持っている人。そのパワーがどこから来ているかは分からないのですが、“導いてくれる人”という直感が最初からあったのではないかと思います。
そこからひとつずつ成功していく中で、カーティスという存在がディーナにとってもっと大きな特別な存在になっていきます。カーティスの中身というか本当の姿が見える瞬間が最後にあるんですよね。それを見ると、カーティスを応援したくなるというか、どうにかならなかったのかなと思ってしまうんです。悪い人に見えるけど悪い人ではないというか、純粋に一番正面から闘った人なのではないでしょうか。とても魅力的な人。だからディーナも自然と惹かれていったんだと思います。
印象的なのが望海さんがおっしゃった「悪い人に見えるけど、悪い人ではない」というカーティス像。カーティスは物語が進むにしたがって、何かを得て、そして何かを失っていくような印象に見えます。
spi:自分が用意してきたカーティス像がのっけから違う方向だったので(笑)、今は色々考えながらつくっている最中なのですが、彼の役割は“男性像”の集大成なんですよね。男性あるある、みたいな。パパであり、夫であり、兄弟であり……。家族における、様々な男性像の愛のカタチ、と言えるのがカーティスなんじゃないかと思います。観客の方にとってもパパや夫への反抗のように、数々の女性が男性に縛られてきたという歴史からの解放という目線で観ていただければ……と思っています。
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