強くはあれないけど、人に優しくありたい
―荒川さんといえばテレビでもものすごく明るいキャラクターが印象的です。一方で、自分を好きになれなかった期間も長かったとお聞きしました。その時はどんな心境だったのでしょう?
荒川:自分のことが可愛くないと思い続ける日々で、全部容姿のせいだと思ってしまいました。嫌なことがあったら、私がブスやから、と思ってしまったんです。
―そこをギャルマインドでポジティブな方向へ引っ張っていっているという感じなのでしょうか?
荒川:今でも考えすぎてしまったり、ネガティブなところはすごくあります。でも気づいたんです。そこからしか見えない景色があるんじゃないかと。
今は、ネガティブやからわかることもあると思っています。自分のネガティブさを一旦認めて、だからできることもあるんちゃうかって思うだけで、それはポジティブになる。例えば、ズカズカ言える人って、ズカズカ言えない人の気持ちがわからないんですよ。でも私は、「うぇーい! わーい」ってなれない人も引っ張れるはずだって。同じ苦しみを持ってる人の気持ちをわかれる人に絶対なりたいと思って。「細かいことに気づけるかも」「人の優しさに気づけるかも」とか。
「強いことが言えない」ことが、もともとコンプレックスで。今でもファンの方に「私についてこい!」とは言えないんです。こんなに「いぇーい!」ってやってる人が、そんな(自分が嫌いだった)過去があったと公表していいのかって悩んだこともあったんです。「いぇーい!」っていうテンションでありたいのも自分だし、でも、根が明るい部分だけかと言われるとそうじゃない。
私を応援してくれる方ってびっくりするぐらい優しい方が多いんです。それってもしかして、そういう強くはあれないけど、人に優しくありたいと思ってる部分を見て、気づいてくれた人たちなんじゃないかって。強いことは言えなくても、人の弱さに寄り添える人でありたいんです。
―フォロワーの方からの励ましが大きな転換点になったんですね。荒川さんのYouTubeやTikTokを拝見して、とにかくポジティブだなあと。アンチコメントを読む企画でも、普通は傷つくような内容もすごくポジティブに解釈されてて。それもフォロワーさんの励ましの影響が大きいんでしょうか?
荒川:一時期、自分がしんどいのと重なって悩んで。誰も応援してくれないんじゃないかとか、私が出るのが迷惑なんじゃないかな、って落ちたときもありました。それをちょっとだけSNSに書いちゃって。「かまちょ(かまってちょうだい)」で(笑)。フォロワーさんたちが、思ってる以上に「応援してるよ!!!」ってぶわぁ~ってコメントを下さって、立て直せたんです。私、フォロワーさんが自分の糧だと、本当にそう思ってて。SNSのおかげでここまで来れたと思っています。
それから冷静になって考えたら、地球の中の一人の女が勝手に「有名になりたい」「お金稼ぎたい」って言って出てきて、「みんな好きになって」って、おこがましいかなあって。
―すごく達観されてますね。
荒川:電車とか乗ってて街の風景を見ると、家が多いじゃないですか。「そら無理かあ」って思うんですよ。それぞれ家庭環境があって、親がおって、全員育て方が違って。全員地元も学校も違うくて。同じ考えの人がおるわけないじゃないですか。もしかしたら、おっきい声で小学校の時に嫌なこと言われたこととかがあって、おっきい声がいやって人もおるかもしれないし。
それぞれに意見があって、そらそうかって。私のことを苦手と思う人がいても当然というか。なにをいい言葉だけもらおうとしてるんやろう、って。でも、考え終わる頃には「全員私のこと好きになってーーーー!!!!」って思ってましたね。「やっぱり無理―! 全員私のこと好きじゃないと無理!」って、結局(笑)。
何事にも全力で挑み、強くはなくても人の優しさに気づける。そんな現代のギャルは今の時代を自分らしく生きるひとつの姿かもしれません。後編では、マインドだけでもそんなギャルになりたい! という方のためのギャルマインドの身につけ方にも迫ります。
インタビュー後編は1月18日公開予定です。
撮影/日下部真紀
取材・文/ヒオカ
構成/坂口彩
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