「何か言いたくなったら“待つ”。子育てはこれの繰り返しです」。そう伝えるのは、現役小学校教師であり、小学校指導教諭、つまり「先生の先生」も務める庄子寛之さん。著書『子どもが伸びる「待ち上手」な親の習慣』でのこの言葉には、たくさんの保護者と子どもたちを見てきた庄子先生ならではの“極意”が詰まっていると言えそうです。
その極意をつまびらかにし、子どもの個性や才能を伸ばす方法を教える本書ですが……じつは庄子先生、「子どものため」より何より、まずは親が「自分のため」を優先すべきだと言います。一体どういうことなのでしょうか? 子育てに追われ、「全っ然自分のことできてない!」と感じている全ての親たちへ贈る、庄子先生のエールとは――? 本書から特別に一部抜粋してご紹介します。
子どもはすぐには変われない
学校から帰ってきたら、ランドセルを投げたまま遊びに行く。出したら出しっぱなし。ちっとも片付けようとしない。何度注意しても直らない。
親なら多かれ少なかれ、そんな思いを抱いていることと思います。何度言ってもできないから、言い方がついキツくなってしまう。そして、そんなイライラする自分に自己嫌悪。それなのに、次の日になったら、また同じように叱ってしまって……。
そんな負のスパイラルに、はまっていませんか。
かつては私も、負のスパイラルにはまっている親でした。でも、ほんのちょっと意識を変えるだけで、子どもがなぜできないのか、何に困っているのかが分かるようになり、負のスパイラルから抜け出せることに気づきました。子どもの行動にイライラすることが少なくなり、子どもとの関係に変化が出てくるようになったのです。
そのためにはどうするのか? それは、まず「自分を整える」ことです。
「子どもをちゃんと育てることが目的なのに、自分自身を整えるんですか?」
「自分を整えたって、子どもは何も変わらないじゃないですか?」
そんなふうに思う方もいらっしゃるのではないかと思います。
そんなことはないのです。あなたの世界は、あなたの主観でできています。我が子が言うことを聞かないのは、あなたがそう感じているだけです。もしかしたら、あなたのパートナーは、そう思っていないかもしれません。子どもとのよりよい関係を望むなら、最初に行うことはまず、「自分を整える」ことなのです。
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