外資系CAでも甘くなかった子ども英会話教師


一方、プライベートでは、フィンランドで日本人の男性と知り合い、29歳のときにご結婚された三橋さん。一人目のお子さんを出産され、その状況の変化のなかでもなかなかCAをやめる決心がつかず、一層焦りが生じ、長く続けられる仕事を求めて動きはじめます。

「当面は子育てと不規則なCAの仕事と両立するために、自宅でできる仕事がいいと考えました。そこで家でキッズ英会話教室をスタート。週1回から、近所で生徒さんを集めました。子どもは保育園に預け、遅い時間の場合には教室に一緒にいることも。うまく軌道にのったら、本業にしよう。そんな風に思っていましたが……そう甘くはありませんでした」

若い頃から「学び好き」で、資格取得が趣味だったという三橋さん。英語に関する資格だけでも英検1級、TOEIC890を所持し、CAの仕事中には英語を使っているため、英語力は充分。それでも、講師として子どもたちに教える仕事は甘くなかったと言います。

授業の準備に相当の時間がかかり、大事な子どもたちを預かる責任からプレッシャーもかかります。生徒の学年がバラバラだったこともあり、クラスは予定よりも細分化され、1時間のクラスに対する準備時間はその5~6倍でした。それでも頑張って1年半、続けていきます。

国際線アラサーCAが時給1000円のアルバイトを始めた事情「やりがいか、バランスか?」ワーママのリアルな悩み_img2

 

「思えば、この頃は思い込みに追い立てられて動いている部分がありました。子どもが生まれたらCAを続けられない、って考えていたんです。だからCAを辞めても同じくらい好きで打ち込める仕事が欲しい、ずっと通用するスキルを身につけたい。そう感じてもがいていた30代でした」

 

目標はあるものの、現実には試行錯誤を繰り返していた三橋さん。第一子出産後にはCAを辞める決断ができず、子どもを置いて仕事に行くことに罪悪感を抱えながらフライトをしていました。そんな中、さらなる転機が訪れます。嬉しい第二子の妊娠、そしてその育休中に起きたコロナ禍が、三橋さんのキャリアに大きなインパクトを与えます。

次回は航空業界の大打撃に翻弄されるなか、三橋さんが飛び込んだ新しい環境での奮闘について伺います。

キャビンアテンダント
WEBデザイナー
デジタルハリウッド STUDIO千葉トレーナー
三橋 由美さん Yumi Mitsuhashi
岩手県出身。大学卒業後、ヨーロッパの航空会社にCAとして入社。現在も北欧系航空会社でCAとして乗務。コロナ禍で二人目の育児休業が延長されるなか、デジタルハリウッドSTUDIOの「Webデザイナー専攻 主婦・ママ専用クラス」で学び、Webデザイナーのスキルを習得。現在はCAとWebデザイナー、そしてデジタルハリウッドSTUDIOのトレーナーとしてパラキャリアを築いている。

▶Instagram:https://www.instagram.com/aurinko103/
▶HP:https://aurinko-web.jp/

「子どもが生まれたらCAを引退しなくてはと思いこんで……」国際線CAを続けながらWEBデザイナーとして活躍中
▼右にスワイプしてください▼

取材・文/佐野倫子
構成/山本理沙

 

国際線アラサーCAが時給1000円のアルバイトを始めた事情「やりがいか、バランスか?」ワーママのリアルな悩み_img3
 


前回記事「眠れる主婦の底力!“好き”な仕事を成功させた女性の情熱「効率よくやろう、とは考えなかった」」>>