2014年に『セッション』で彗星のように現れ(というふうに見えた)、その2年後に『ラ・ラ・ランド』で揺るぎない地位を手にしたデイミアン・チャゼルは、『バビロン』のリサーチに15年をかけたそうだ。映画産業がまだ確立されていなかった黎明期を顕微鏡でのぞいて見たかったという。『セッション』より5年前、デビュー作を制作した直後に出会ったプロデューサーにデイミアンが提案したのが、サイレント映画の時代の群像劇だった。この作品の構想はその頃にはもうあったのだ。
上映時間は3時間9分。正直なところ見る前はその長さに不安もあったが、あっという間だった。とにかく展開も映像もスピーディー。説明的な台詞なんてないから、見る側も必死になってしまう。
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