総務省の「通信利用動向調査」によると、スマートフォンの世帯保有率は88.6%、今や70〜79歳でも約半数の53.1%が所有しています。今回の相談者・佐和子さんの両親も70代でスマホを手に入れ、日々活用しているそう。そんなご両親に、今度はインターネットバンキングを勧めたいと言います。インターネットバンキングとは、ネット上で銀行口座の残高照会や振込などを行えるサービスのこと。わざわざ新規で銀行口座を開設する必要はなく、これまで使っていた口座をネット上でも操作できるようにする、というイメージです。ですが佐和子さんの父親は、そんな一見便利そうなサービスの利用を渋っているのだとか。話を聞いてみましょう。

 


70代の親にネットバンキングを勧めるということ


都内に住む両親は共に70代前半。コロナ禍でスマホを手に入れた両親は、最初こそ使い方が分からず右往左往していましたが、母に至ってはメルカリで売買できるほどまでになりました。今やネットがないと何もできない時代。母が定期購読しているシニア向け雑誌には、毎号のようにスマホの使い方が紹介されています。

私も常々両親にはネットで何でもできるようになって欲しいと思っていたので、先日実家に帰った時に「何か教えて欲しいことはある?」と聞いたところ、母は残高確認や振込のためにわざわざ銀行まで行くのが億劫とのこと。それであればと、日常的に使っている銀行口座をネットでも操作できるよう、ネットバンキングの登録を勧めました。

そんなこんなで新しいモノ好きの母は躊躇することなく使い始めましたが、父は頑なに「ネットバンキングなんて危なすぎる。何年か前にも、銀行の預金が不正に出金されたドコモ口座事件っていうのがあっただろう」と過去の事件を引き合いになかなか登録してくれません。私もそこまでネットバンキングに固執しているわけではありませんが、自宅で完結する便利なサービスは使った方がいいですし、年齢を重ねるとできないことも増えてくるので、利用するなら早い段階で登録した方が良いと思っています。

しかも私がメインバンクにしている三菱UFJ銀行は、2023年度末までに店舗の数を40%ほど減らす計画があると聞きました。夫も先日、「近所にあった三井住友銀行のATMがなくなったんだよ」とボヤいていて、銀行はこの先どんどん変わっていく気がします。

そこでその波に取り残されないよう、父にも再度ネットバンキングを勧めてみたいのですが、利用する際の注意点などを改めて教えていただけますか?

 
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